企業の現場では、早くも「一般枠の人たちと同じように、(それぞれの仕事に適した特性の持ち主である)優秀な発達障害者を巡る青田買いが始まっている」(大手企業採用担当者)とも言われている。すでに、ハローワーク経由での精神障害者の就職件数は2013年度に、また新規求職申込み件数は2014年度に、それぞれ身体障害者の数を抜いた。

実雇用者数が増えないなか
定着支援事業を手がける人々

 ところが、実雇用者数はそれほど増えていない、という状況がある。そこで、これからは定着支援の重要性が高まってくるだろうと指摘されている。

「精神・発達障害の方と一緒に働くという世の中になっていくので、企業の側も一緒に働けるように本格的に受け皿準備をしないといけない時期に来ている」

 そう話すのは、全国各地で障害者向けの就労移行支援事業所「LITALICOワークス」を運営し、これまで合計で5000人以上を企業に送り出してきた株式会社LITALICO(東京都目黒区、長谷川敦弥社長)のLITALICOワークス事業部、服部一史さんだ。

 精神障害者の雇用についてはもともと、仕事が長続きしにくいという職場定着の課題があった。また、なかなかフルタイムで働けないという問題もある。

 そこで厚労省でも、今年4月から改正省令を施行し、従来、短時間労働者を0.5人とカウントしてきたが、精神障害者の短時間労働者に限っては、雇用してから3年以内を「1人」としてカウントし、3年後までにフルタイムへの移行を目指すことにしているという。

「4月から新たに『定着支援事業』ができたという動きもありますが、定期的に顔を合わせ、大きな問題になる前の小さな相談を受けられるようなきめ細かい定着支援の重要性が、今後より大きくなっていくでしょう」

 LITALICOの服部さんはそう説明する。