外国人投資家が日本のオーナー企業に熱視線を送っている。『週刊ダイヤモンド』4月14日号の第1特集「オーナー社長 最強烈伝」では、時にリスクを取りつつも、長期的な視点で経営を進めるオーナー企業を完全解剖した。その中で、週刊ダイヤモンドは最強のオーナー企業を明らかにすべく、収益性や安定性の指標を用いて独自にオーナー企業ランキングを作成した。トヨタ自動車が総合1位に輝いた他、業種の業界別ランキングでは高収益の成長企業が上位に入った。
オーナー企業の評価は、日本経済大学大学院の後藤俊夫特任教授らの研究で、上場している同族経営の企業が非オーナー企業に比べて優位性があると認められている「ROA」「営業利益率」「流動比率」「自己資本比率」の4指標に、「売上高」を加えて偏差値化した。
つまり、上位にランクインした企業は高い収益性と安定性という「同族経営企業の強み」を遺憾なく発揮し、業界に君臨する“キング・オブ・オーナー企業”ということになる。
上場しているオーナー企業1876社の頂点に立ったのはトヨタ自動車だった。売上高もさることながら、収益性と安定性にも優れるバランスの良さが反映された結果だ。
トヨタは2009年に豊田章男氏が社長に就任し、豊田家への“大政奉還”を果たした。その後、大量リコールに続き、電気自動車(EV)革命という荒波にもまれているが、創業家であることを求心力にしながら、激変期に対応しようとしている。
2位は日本有数のキャッシュリッチ企業である御園座だ。愛知県名古屋市で劇場を運営している。御園座は、オーナー企業の特長である安定性に優れていた。