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次世代に引き継ぐ大震災の教訓

冷温停止したら事故は収束なんですか?
南相馬市民2万6000人はまだ避難している!
――桜井勝延・南相馬市長インタビュー

【第16回】 2012年3月26日
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福島第一原子力発電所の北、太平洋沿岸に位置する南相馬市は、地震と津波の被害が大きく、福島県のなかで死亡者が一番多かった市だ。その上、市の南のエリアが原発事故の警戒区域(20キロメートル圏内)にあたり、今も立ち入りが制限されている。同市では桜井勝延・南相馬市長を中心に復興をすすめ、避難した市民6万人のうち、4万3600人が帰宅するまでになった。役場を移さずに復興を進めたのが市民の早期帰宅に結びついたと話すが、市長は政府の対応、とりわけ原発の「事故収束宣言」に対しては強い不快感を示している。
(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

2万6000人帰宅できていない
どこが事故収束なのか

さくらい・かつのぶ/1956年生まれ。78年岩手大学農学部卒。2003年原町市議会議員を1期、06年南相馬市議会議員を2期務めた後、10年より南相馬市長。

――震災から1年が経った。この1年をどのように総括しているか。

 国が責任をまったく果たしていない。震災と原発事故のドタバタでまったく情報が入らなかった。SPEEDI(スピーディ:緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報はもちろん、放射能汚染がどのように広がって行ったかという情報がまったく入らなかった。警戒区域が設定され、物流も止まった。それによって、南相馬市は情報においても物流においても、完全に孤立し、過疎地となってしまった。

 市民は自分の命や子ども達を守るために、山を越えて飯舘村の方や伊達市のほうへ避難して行った。しかし、情報がないために、わざわざ放射線量が高い方へ逃げてしまった。南相馬市街にいた方が被爆しなくて済んだ。これは国の責任だ。国のメッセージ力がまったくなかった。

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次世代に引き継ぐ大震災の教訓

東日本大震災から1年。首都直下型地震をはじめ次なる巨大地震の可能性も示唆され、国民に不安が広がるなか、我々現役世代は何を為すべきか。それは東日本大震災から得た教訓を、次世代へと確実に引き継ぎ、活かすことではないだろうか。そしてその役割はこの1年間、着実に果たされてきたと言えるのか。各分野の専門家へのインタビューと現地取材を交えたレポートで検証する。

「次世代に引き継ぐ大震災の教訓」

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