当分、車に乗ることができない?
タカタ製エアバッグの意外な余波

タカタ製エアバッグ搭載のリコール対象車を、未改修のままでは車検に通さない国交省の方針は、「車検パニック」を生みかねない(写真はイメージです)

 タカタ製エアバッグ不祥事の意外な余波が、今ごろ起きることになった。国土交通省は、タカタ製の欠陥エアバッグを搭載しているリコール対象車両のうち、年式が古いものを中心に約94万台の車検を未改修のままでは通さないことを決定した。

 タカタ製エアバッグのリコールは国内最大規模で、範囲はトヨタ、日産、ホンダなど大半の自動車メーカーに及び、届け出台数は過去最多の1981万台。わが国の乗用車保有台数が約6000万台だから、リコール対象はおおよそ3台に1台であった。

 それでもすでに1700万台超の車については改修が終わり、残る246万台のうち、年式が古い94万台を5月以降このままでは車検に通さないと、国土交通省が決めたというのが今回のニュースである。

 このことで、一部の車の所有者に「車検パニック」が起きることが予想されている。おおむね次のような事態だ。

 中古車の持ち主が5月に入って、整備工場などに車検を依頼する。すると、そこで自分の車がリコールの対象になっていて、このままでは車検に通らないと知らされる。

 本来であれば、無償回収修理が行なわれるリコールだが、古い車種の対応部品がメーカー欠品で手に入らない。だから最悪の場合、オーナーが「当分の間、車に乗ることができない」と突然知らされることになる。車がないと通勤ができない環境の持ち主であれば、生活が成り立たずパニックに陥る可能性もあるというわけだ。

 そもそも、メーカー系のディーラーや中古車販売会社から車を購入した人たち、つまりメーカーから連絡が届く人たちは、その大半がすでに改修を終えている。これが「1700万人が対応済み」という数字の意味だ。

 逆に言えば、今回の車検にひっかかるであろう、まだ修理に応じていない車のオーナーは、(メーカー系列ではない)独立系の中古車屋さんで古い年式の車を購入したり、個人間売買で中古車を購入したり、ないしは引っ越して販売当初のディーラーがその行方を把握できていなかったりする人たち、ということになる。