SBIグループが主導し、3メガバンクを含む最大61行の邦銀が加盟していた「内外為替一元化コンソーシアム」。仮想通貨「リップル」の技術を使い、安価で高速な送金プラットフォームの開発を目指すこの連合に今、異変が起きている。
今年3月末、千葉銀行や伊予銀行(愛媛県)、十六銀行(岐阜県)、武蔵野銀行(埼玉県)、筑波銀行(茨城県)、オリックス銀行など11行が、連合から離脱していたことが分かったのだ。
3月7日に個人間送金用スマートフォンアプリを発表し、今夏以降の実用化を掲げたばかりの邦銀連合。加盟行たちは、仮想通貨の基盤技術である「ブロックチェーン」を使った送金手段が誕生し、国際送金など高コストで時間もかかる既存のインフラを代替することに期待を寄せていたはずだ。いったい何が起こっているのか。
「加盟していても会費だけ取られて実入りがなく、意味がないから離脱を決めた」
関東地方のある地方銀行幹部は、そう吐露する。低金利環境で業界全体が業績悪化に陥る中、4月に会費が月額30万円から60万円に倍増したという。
一方、連合に残った別の第二地銀幹部も「再加盟には入会金1000万円が必要だから継続を決めた」と、連合には不満たらたら。
だが、最大の問題は別にある。「仮想通貨は価格変動が大きく、銀行送金に使われては困る」と両幹部は口をそろえた。