Ms.BOPチームの「新興国ソーシャルビジネス」最前線
【第8回】 2012年4月3日
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渡辺珠子 [日本総合研究所創発戦略センター マネジャー]

人となりで選び、“丁寧”にテコ入れする
マイクロフランチャイズを農村部で展開する法 日本総合研究所創発戦略センター副主任研究員 渡辺珠子

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筆者が訪れたインド北部のとある農村にある雑貨店。扱っているのは石鹸やシャンプー、洗剤などの日用品、菓子や文具類などである。店主はもともと雑貨店を営んでいたが、数年前に第4回で紹介したDrishtee Foundationのマイクロフランチャイジー(小規模のフランチャイズ加盟店)となった。

それまでは交通費をかけて、数時間離れた街(それでもインドでは居住地に近いと言える距離)に仕入れに出かけていたため、店に並べる商品の種類は地元で手に入るものばかりであったし、思うような価格交渉ができなかった。しかし、現在はDrishtee Foundationが首都圏で調達した商品を配送してくれるため、以前よりも取り扱う商品の種類が増え、また品質の良いものも取りそろえることが可能になった。しかも農村の人々が買える値段で提供でき、自分も利益を得られる価格で仕入れることができる。

インド農村部でマイクロフランチャイズによって開かれた小売店
Photo by Japan Research Institute

 これは、前回紹介したマイクロフランチャイズの一例である。ソーシャルビジネスでは、事業展開においてマイクロフランチャイズモデルの有効性が頻繁に語られる。企業にとっては、未開拓の市場に入っていく際の手段である一方、低所得者層にとっては日常生活での選択の幅を広げ、生活の質を向上させる大いなるきっかけとなる。今回は、マイクロフランチャイズモデル立ち上げに焦点を当て、その実現に必要な観点や、立ち上げにはどんな困難があり、それをいかに克服するのかについて探っていきたい。

マイクロフランチャイズは
本当に有効なのか?

 フランチャイズとは本来「個人や小規模店に営業販売権を与える」ことであり、ソーシャルビジネスにおけるマイクロフランチャイズでも基本的には同じでる。

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渡辺珠子 [日本総合研究所創発戦略センター マネジャー]

わたなべ たまこ/名古屋大学大学院 国際開発研究科(国際開発専攻)修了後、メーカー系シンクタンクにて中国を中心としたアジア諸国のマクロ経済動向調査、ODA関連調査等に携わる。2008年に日本総合研究所入社。09年度に国際協力機構のBOPビジネス促進制度に関する制度設計に従事。現在、主に日本企業の新興国におけるソーシャル・ビジネス立上げを支援している。


Ms.BOPチームの「新興国ソーシャルビジネス」最前線

日本で「ソーシャルビジネス」という言葉が紹介された当初は、海外から持ち込まれるカタカナ経営用語の一つというとらえ方をされていた。だが昨今話題になるソーシャル・ビジネスは、「地域社会やコミュニティが抱える社会的課題を解決する」という面だけではなく、「社会構造を根本的に変える」イノベーティブな発想も内包する。市場のルール自体を変えるチェンジメイカーだ。インド、中国内陸部、アフリカ、東南アジアにおけるソーシャルビジネスの最新事例を基に、日本総研の女性チームがその実体験と分析を紹介する。

「Ms.BOPチームの「新興国ソーシャルビジネス」最前線」

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