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サンフランシスコで進む「アンチ・スターバックス」
なぜいま地元コーヒーチェーンが愛されるのか

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第190回】 2012年4月5日
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 サンフランシスコでは今、「アンチ・スターバックス」とでも呼ぶような動きが起きている。地元コーヒーチェーンの勃発だ。

 この地元コーヒーチェーンは、ちょうど地元ビール店のような流行り方で、何と言っても地元住民のサポートの強さが特徴である。早朝や午後のコーヒーの時間には、外まで行列ができるほどである。

 サンフランシスコの地元コーヒーチェーンはいくつかある。

 たとえば、ブルーボトル・コーヒーという店は、コーヒーを1杯ずつドリップしてくれることで有名だ。ずらっと並べたカップにポタポタと香り高いコーヒーが落ちていくさまは、美しいほどである。そのコーヒーはすべて、豆の焙煎後48時間以内に入れられ、「風味が最高のポイントにある間」に飲ませてくれるのである。このコーヒーチェーンはサンフランシスコの対岸の町、オークランドから始まって、今やニューヨークにも出店するほどの人気になっている。

 また、リチュアル・ロースターズというチェーンは、2005年にサンフランシスコで創設され、現在市内に数店舗を構えている。出店する場所がこれまたユニークで、園芸店の中とか、露店のキオスクとか、ともかくカジュアルなのである。味は最高だが、店構えにはお金をかけません、という姿勢が伝わってくる。これ、とても現代的ではないだろうか。

 もうひとつ、フォーバレル・コーヒーも人気だ。こちらはまだチェーンではなく、サンフランシスコのヒップな地域であるミッションに店が1軒あるだけだが、すでに住民からの信頼は高い。

 この他にも、小さな店だがいいコーヒーを入れて、多くのファンを抱えているところがいくつもある。サンフランシスコの人々は、スターバックスの手慣れたコーヒーを飲むよりは、こちらの方のコーヒーを手にしたいと思うのである。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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