事実、2018年初頭では、次のiPhone Xは1200ドルになると予測する専門家もいた。今回の値下げもあくまで予想なので、実際にどのような価格設定になるかは不明だが、アップルが現行iPhone Xの販売予想を下方修正していることを考えると、やはり10万円以上のスマホは高すぎるという市場評価は無視できないのかもしれない。

 ブランド力の高い製品の場合、コモディティ化が進むレッドオーシャン市場において、高価格や高品質を差別化ポイントとする戦略が可能だが、アップルが新型iPhone Xの価格設定を下げてくるというのは、グローバル市場である程度の数を押さえる戦略に出たのだろうか。

価格戦略の軌道修正で対応するアップル

 確かに、グローバルでのスマホ市場は、6割以上がAndroid端末でありiOSは30%前後だという。数の上ではAndroid端末のシェアは圧倒的だが、機種別のランキングでみれば、アップルのiPhoneはトップ10に複数機種が名を連ねる。また、メーカー別のシェアで見ればサムスンについで世界2位がアップルだ。この勢力図を塗り替えるほどではないが、2017年の市場調査で、韓国・台湾・EU諸国(ドイツ、フランス、イギリス)などでiOS端末の増加傾向が見られている。

 その理由の分析は難しいが、一般的にiOSはAndroidよりセキュリティが高く、ビジネスユースではアップルによって管理されたアプリマーケット、OSアーキテクチャが有利とされている。また、近年は、中国製デバイスにバックドアが仕掛けられ、端末の情報が勝手に中国などに送られている事例がいくつか発覚している。そのため、政府機関や軍関係は、HUAWEI、OPPOなど(指摘された各社は公式にバックドアを否定)の端末の利用を制限しているところがある。

 中国製端末のバックドアの真偽は不明だが、学校や企業においてアプリ管理がしやすく、マルウェアの危険性が比較的低いiPhoneを支給端末にしているところは多い。

 アップルとしては第2世代iPhone Xの値下げは価格戦略の軌道修正によって対応しているようにも見えるが、価格戦略の軌道修正がどのような効果をもたらすのかは、5月にも発売されるというSE2の動向次第だろう。