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ワークス研究所の労働市場最前線

雇用のグローバル化とは何か
制度を超えて必要なもの

白石久喜 [リクルートワークス研究所主任研究員]
【第31回】 2012年4月5日
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日本的雇用システムは
グローバルで通用しないのか。

 前回の原稿では「人材のグローバル化」について考察を加えたが、今回は「組織のグローバル化」、特に「雇用システムのグローバル化」について考えてみたい。

 昨今、アジアでの事業展開を経験した企業の悩みの中で、「良い人材が採用できない」、「人材がすぐ辞めてしまう」、「せっかく採用した人材が欧米企業に引き抜かれてしまう」といった声を聞くことが少なくない。この現象の背景には、事業のグローバル化と同時に、雇用システムのグローバル化の要請が存在する。また、そういった声の多くは、現象の理由を、日本的雇用システムの問題と捉えている。

 しかし、雇用のグローバル化ができていないことで悩んでいる企業の意識調査の結果から見てみると、グローバル化のために「職能資格制度」や「年功重視の昇進システム」を変えるべきと認識している企業はわずか3割程度しか見られず、日本的雇用システムを問題ではあると思いながら、それを積極的に変えたいとは思っていないようだ。

 さて、日本企業にとって、雇用システムのグローバル化とはいったい何なのであろうか。それは単に、日本よりグローバル化が先行している欧米企業の雇用システムを倣い、実行することではないはずだ。そもそも、調査結果に見られたような日本的雇用システムを変えるつもりが無いという意識では、うまくいくことはないだろう。

 そこで本稿では、日本企業が雇用システムのグローバル化を実現するための要諦を、グローバル先進企業3社の事例から探索したい。

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白石久喜 [リクルートワークス研究所主任研究員]

(しらいし ひさき)1966 年生まれ。90 年大学卒業後リクルート入社、6年半の情報誌営業を経た後、96 年よりリクルートリサーチにて社会調査業務に携わる。2001 年 4 月より組織の改変に伴いリクルートへ、現在にいたる。


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超就職氷河期、非正規社員の比率の高まり、社内教育制度の限界など日本の労働市場は、大きな転換期にある。労働市場の研究所として名高いリクルート社のワークス研究所の研究員が、就職、転職、キャリアパス、制度問題など、労働市場を360度の視点から縦横に分析する。

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