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ワークス研究所の労働市場最前線

「自己チュー」「人を育てない」バブル世代ミドル
自己信頼に注目して再活性化の実現を(下)

五嶋正風 [ワークス研究所『Works』編集部員]
【第29回】 2012年3月8日
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 第28回では、バブル世代ミドルが、会社内で期待以上の役割を果たせていない背景を解説した。そこには「自己信頼」の低さがあった。

 「自己信頼」とはワークス研究所が提唱する概念で、「現在の自己、将来の自己に対して、信頼や希望を持っていること」と定義している。この世代は曲がりなりにも経験を積んでおり、会社内で重要な戦力であることには変わりない。そんな彼らを再活性化させれば、会社全体の勢いを変えてしまうほどのインパクトがあるだろう。今回は、活性化の具体的な方法を考える。

 自己信頼の観点からバブル世代ミドルの現状を眺めると、自己信頼の3要素のうち、とりわけ「未来への希望」が著しく低下しているという問題が見えてきた。つまり、バブル世代ミドルの自己信頼を高めて再活性化へ導いていくためには、この低成長下、ミドルの「未来への希望」を、どう描き直していけるかがカギを握るといえる。

取材で見えてきた
自己信頼回復への3つのポイント

 ワークス誌110号「ミドルの自己信頼が会社を救う」の取材では、3つのポイントを見出すことができた。第1は、「内発的動機付けへの注目」だ。

 内発的動機付けとは、承認や感謝など心の満足感を得ることを目的とした行動を指し、反対に外発的動機付けは給与や昇進などを得ることを目的とした行動を言う。

 登山やカヤックなど、アウトドア用品ブランドとして知られるモンベル。会長兼CEOの辰野勇氏は「給与は下がり、安心して働くことができなくて、ミドルは元気を出せるでしょうか」と問いかける。

 利益を上げることが唯一の目的の企業なら、生産性向上に貢献しない、出来の悪い社員は放出することになるだろう。だが辰野氏は「私たちはそうは考えない。縁あって同じ会社の仲間になったのだから、能力がある人もない人も、大きな成果を上げる人もそうでない人も、ずっと一緒にやっていこうと考えています」という。

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五嶋正風 [ワークス研究所『Works』編集部員]

(ごとうまさかぜ)慶應義塾大学法学部政治学科卒、2000年リクルート入社。就職情報サイト「リクナビ」の企画・編集を担当後、03年4月から現職。「対話=ダイアログで紡ぐ人と組織の未来」「働く人の心を守れ」「イタリア企業のネットワーク」などを担当。


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