都市生活者の新たな居場所。
「シックスプレイス」

今までのゲームは終わり、<br />新しいゲームが始まっている。<br />宮台真司が「よるヒルズ」と<br />シェアハウスの未来を語る

宮台 シェアハウスって一般的には、TwitterとかFacebookのようなソーシャルメディア、SNSとは切っても切れない関係だよね。

 SNSでイベントやパーティの告知をする。それをネタにFacebookなどで紹介された人がイベントやパーティに来る、という風に。

シンペー 僕らはコミュニケーションコストが低いSNSを告知に使って、つながりや交感を家というリアル場でつくります。やっぱり、リアルで会って、喋って、一緒に何かすることの体験価値って大きいですから。そういう意味では、コミュニティをつくる上で、両者は明確に区別していますね。ただ、温度感みたいなものは両者とてもよく似ていると思います。家ってインターネット的な空間なんですよね。例えば、会社の会議室に議題を前に集まったり、カフェで対面で座ったりするのはしんどいじゃないですか。余白がないというか。家には地べたに座るフラットさがあるし、良い意味で空気感がゆるいからフリーな感じなんです。

 価値観でつながるソーシャルメディアとの親和性が高い。だから、よるヒルズにも、TwitterやFacebookでつながっていただけの人がその延長線上で遊びに来ても、スッと仲良くなれるんです。だからあえて、外部の人との真面目な打ち合わせをコタツでやったりすることもありますよ(笑)。

宮台 その感覚はとてもよく分かるよ。ところで、前回の話で印象的だったのは、従来の家族の枠組みを超えた「新しい家族」を君らが生み出そうとしていること。いつもはそれぞれ自分の部屋に閉じこもっていて、ときどきリビングに現れる――なんていう家族より、よほど濃密な人間関係だよね。なんて言ったって、個室がないんだから。

シンペー はは(笑)。男性4人は同じ部屋で寝起きしてますからね。たしかに、僕らは家族のような共同体になっていると思います。