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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【ピンク・フロイド「狂気」】
緻密で巨大な音の構築物

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第28回】 2012年4月12日
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 ローマは1日にして成らず、と言います。

 素晴らしい業績は、一朝一夕ではあげられない、ということです。

 伝説によれば、軍神マルスの愛が発端となって生まれたロムルスとレムスの双子がテヴェレ河に流されたことがローマの創世です。やがて偉大なるローマ帝国へと発展していくには、数百年の時を要します。その歴史的事実の素直な解釈が、1日にして成らず、という訳です。塩野七生著『ローマ人の物語』全15巻がその詳細を明らかにしています。

 そして、ビジネスの現場で起きている様々な事柄も、何一つ容易なものはありません。たとえ簡単そうに見えても、実際には、煩雑で細かなことの積み重ねから成り立っています。見えないところで、様々な試行錯誤だってあるはずです。それは、海外での巨大プロジェクトだって、企業買収や合併だって、地方の支店の開設だって、新商品の開発だって、同じです。

 そして、大きな仕事のためには、一つ一つのパーツが重要です。一見無意味に見えても、なくてはならない大切な役割があります。そうやって全体が出来上がっています。考えようによっては、プロジェクトの戦略を練るのも重要ですが、それを支えるためのデータの収集や書類のコピーから、顧客の苦情、電話番、お茶の用意さらにはオフィスの清掃も、大きな仕事を完遂するためには必要不可欠です。

 と、言うわけで、今週の音盤は、ピンク・フロイド「狂気」(写真)です。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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