どんな手法を使って投資するにせよ、投資家ならファンダメンタル分析の基礎知識は持っていなければなりません。そこで、『株を買うなら最低限知っておきたいファンダメンタル投資の教科書』を上梓した足立武志さんに、決算情報を使った銘柄選びの基本を教えてもらいます。

多くの個人投資家は
株式投資で勝てていない

 本コラムは5回連載の予定ですが、第1回の今回は、少し精神論的な話をしたいと思います。といっても、的外れな話をするつもりは全くなく、今回の内容を理解いただくことが株式投資で成功するために非常に役立つと筆者自身思っています。

 個人投資家の皆さんは、どんな目的・目標をもって株式投資をされているでしょうか。老後の生活資金を準備するためという方もいらっしゃれば、純粋に自らの資産を増やしたいという思いの方もいらっしゃるでしょう。

 一つ言えるのは、どんな目的を持っているとしても、その根底にあるのは「株式投資により資産を増やす」ということです。確実に損をするのがわかっているものに手を出す人はいません。

 しかし、個人投資家が簡単に株式投資で勝たせてもらえないのもまた事実です。個人投資家のうち満足のいく運用成績を上げているのは全体の10%程度に過ぎない、と昔からよく言われています。株価が低迷している近年では、勝ち組投資家は全体の3~5%程度にまで減少しているのではないかというのが筆者の感覚です。

 個人投資家は資産を増やすために株式投資をしている一方、実際に資産を増やすことができている個人投資家は全体の一握りに過ぎないという厳しい現実をまず、受け止めなければなりません。

多少の努力と知識があれば
「勝ち組個人投資家」になれる!

 なんだか暗い話になってしまいましたが、心配しないでください。全体の一握りしかいない「勝ち組個人投資家」になることは、実は決して難しいことではないのです。