多くの人が集まる場所には新たな出会いがある。それはときに、自分の仕事やキャリアに有益な何かをもたらす出会いになるかもしれない。そんな期待を持ってネットワーキングイベントに参加するつもりなら、すぐにやめたほうがいい。お互いにリスクがなく、単に会話を楽しむだけの時間から、真のつながりは生まれないと筆者らは言う。


 おそらく、誰もが少なくとも1回は、人脈づくりのためのネットワーキングイベントに参加したことがあるだろう。一見実り多そうなのに、必ず気まずい思いをする会合である。ほとんどの人が、新しい人脈をつくってキャリアをさらにアップしようと期待してやって来るが、結局は、会場の隅でグラスを手に知り合いと話をして終わる。

 内向的な人にとって、この手のイベントはゾッとするものだが、外向的な人にとっても、実はそれほど効果はない。内向的な人に限らず、たいていの人が、時間を無駄にしてしまったと感じながら会場を後にする。なかには、自分のどこがいけないのかと悩む人さえいるかもしれない。この種のイベントで時間を最大限に生かそうと試み続けているのに、失敗し続けているのだ。

 だが、悪いのはあなたではない。ネットワーキングイベントそのものに落ち度があるのだ。

 最新の自著のために、人脈づくりに関する数十の研究に目を通した。全体を通じて浮かび上がったのは、こうしたイベントの効果が、その売り文句に見合わないことだ。

 新たな出会いだけが唯一の目標である状況に置かれると、ほとんどの人は本能的に、居心地のよいコンフォートゾーン内にとどまる。つまり、知り合いか、あるいは、少なくとも自分に似ている人に話しかけるのだ。要するに、ほとんどのネットワーキングイベントは、その目的ゆえに、最初から失敗する運命にある。