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人間の「無意識の偏見」が
AIに与える負の影響とは何か

――グーグルのAI研究者、フェイフェイ・リー氏に聞く

末岡洋子
2018年8月10日
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エキスパート向けはもちろん
ビジネスユーザーにもAI環境を提供

――その夢の実現に向け、どのような製品を提供するのですか。

 グーグルが掲げる「AIを全員の手に」では、顧客が求めるニーズを満たすことを考え、製品スイートを構築しています。

 AIへのアプローチは幅広く、技術に精通している顧客には、プラットフォームとコンピューティングのパワーを提供します。製品名としては、自分でモデルを組むための機械学習フレームワークである「TensorFlow」や、クラウドベースで提供するTensorFlowの実行環境の「Cloud ML Engine」などになります。

 また、AIは処理能力を必要とします。グーグルはこの問題に対し、機械学習に最適化したプロセッサ「TPU(Tensor Processing Unit)」を開発しました。5月に三世代目のTPUを発表しました。

 専門知識はないがAIをすぐに使いたいという顧客に対しては、翻訳、ビジョン、言語などのAPIを提供します。これを利用してすぐにスタートできます。

 さらに、TensorFlowを使って機械学習のカスタマイズモデルを作成することはハードルが高いという企業には、「AutoML」を提供します。グーグルが用意したモデルを使ってカスタマイズモデルを開発できます。最初に画像向けのビジョンからスタートし、アパレルのUrban OutfittersやeBayなどがすでに活用しています。7月には、自然言語処理と翻訳を加えました。

 データセットを必要とする顧客は、Kaggle(2017年に取得)を利用できます。Kaggleは研究者がデータを投稿できるデータサイエンスプロジェクトで、豊富なデータセットがあり、モデルを作成して競い合う場にもなっています。

 より深いソリューションの展開も始めました。7月のイベントでは、コールセンターの業務をAIで支援する「Contact Center AI」を発表しました。コンタクトセンターは大企業顧客の課題で、パートナーと協業して解決するソリューションを開発しました。

 このようにAIのニーズは幅広く、グーグルは適宜協業しながら顧客に必要なものを提供していきます。

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末岡洋子

すえおか・ようこ/フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

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