日本の新しい時代を
切り拓く鍵『失敗の本質』

 28年前に書かれ、日本の組織論の名著として読み継がれる『失敗の本質』。その究極の目標は、今私たち日本人が直面する大転換期に同じ失敗を繰り返すことなく、見事に乗り越えることにあるはずです。

「3つのサイクル」の他に、一つだけとても大切な要素があります。それは「謙虚さ」です。どのような謙虚さであるかといえば「現実と自分自身を直視する」謙虚さです。

「謙虚さ」とは自信を失うこととは違い、素直に現実を見つめてこの世界から懸命に学ぶことです。それができた時、日本と日本人は常に困難を跳ね除け、勝利を収めてきました(傲慢さはその対極の結果をもたらした)。

 今こそ本質を学び、正しく変化するべき時なのです。

 日本人は目標が定まれば、ルールに徹底的に習熟することで、怒涛の戦果・成果を挙げることが得意な、極めてユニークな国民性を持ちます。

『失敗の本質』が示唆する、変化に勝つための新たなルールに習熟すれば、閉塞感を打ち砕き、次の繁栄と成功の軌道に素早く乗ることができると信じています。

 初版から約30年後の現代日本に、変化に勝つための優れた洞察、日本人論として鋭い示唆を与える名著『失敗の本質』。その著者である6名の先生方に、最大限の敬意と心よりのお礼をお伝えして、この連載を終わります。

◆第1回◆
なぜ、今『失敗の本質』なのか?これから読むための7つのヒント

◆第2回◆
大東亜戦争の敗因から学ぶ、現代にも通じる6つのターニングポイント

◆第3回◆
日本からジョブズが生まれない4つの理由。戦時中から変わらない日本的組織の謎

◆第4回◆
なぜ、日本人は「空気」に左右されるのか?日本軍も陥った4つの罠

 


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日本軍の失敗から何を学ぶのか?<br />今後の日本を勝利に導く「3つの戦略」

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