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「引きこもり」するオトナたち

“大人の発達障害”の人々が自己肯定感を取り戻す
新たな交流の場「イイトコサガシ」の可能性

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第106回】

 発達障害を自覚する大人たちが、いまの社会で求められるコミュニケーション力を高めようと、いろいろと悩みながらも取り組みを模索している。

 そんな当事者の1人である、冠地情さん(39歳)も、発達障害の大人だけでなく、一般の人を含めた多様な人たちがみんなで一緒に楽しいコミュニティを作り上げる「イイトコサガシ」というワークショップを各地で開いている。

 これまで約2年半の間に、25都道府県の支援センター、大学、企業などで200回以上にわたって開催され、参加人数は、延べ約2200人。他の団体との連携も始めるなど、コミュニケーションの場も多岐に広がりつつある。

 筆者も、4月12日に東京都世田谷区の区民会館で開かれた「イイトコサガシ」の「東京都成人発達障害当時者会」に参加してみた。

仕事を転々とし、引きこもりへ
発達障害で閉ざされた“未来”

 冠地さんは、子どもの頃から「自分だけ何か違う」と違和感を抱いていた。

 広告代理店のアシスタントプロデューサー、ポスティング、花屋、イベントのアシスタントディレクターなど、仕事を転々とした。仕事をずっと続けたいと思えなかったし、評価もされなかったという。

 その頃、実家が構造的に欠陥住宅だったことが判明。会社を辞めて、ハウスメーカーと闘った。

 結局、メーカーが非を認めて家を建て替えることで決着。そこで、「そろそろ働こう」と再び動き始めたものの、リーマンショックが起きて、さらに景気が悪くなっていた。

 社会に戻る感じがしない。燃え尽き症候群のようになって、引きこもった。

 冠地さんが「ADHDとアスペルガー症候群の混合型の発達障害」と診断されたのは、そんな2008年のこと。

 発達障害だとわかって、少しラクになったものの、“未来”が閉ざされた。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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