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「引きこもり」するオトナたち

家では話せるのに学校・会社では話せない
“大人の緘黙(かんもく)症”の知られざる苦悩

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第108回】

「大人になれば治る」は間違い?
緘黙症に苦しむオトナたち

 ある特定の場面で口を聞かない「場面緘黙(かんもく)症」という症状がある。

 なかには、特定の場面だけでなく、家族を含めて、すべての場面で話すことのできない「全緘黙症」になる人もいる。

 一般的には、「場面緘黙」の子どもたちは学校へ行くと、自由に話ができない。ただ、周囲に迷惑をかけないため、放置されがちで、本人はとても苦しい思いをする。

 そんな「緘黙症」は、これまで「大人になれば治る」と漠然と思われてきた。ところが最近、大人になっても、「緘黙症」の状態が続いている人たちの存在や、その後遺症によって様々な社会適応に支障をきたしているケースが少なくないことがわかってきたという。

 「引きこもり」の人たちの中にも、この「緘黙症」のタイプが多いのではないかという気がする。

 実際、当事者本人や経験者、保護者らが集まる「かんもくの会」には、10年、20年と、自宅に引きこもって暮らしている人たちの家族もいる。その20年間、子どもの声を聞いたことがないという親もいる。

 人によっては、言葉だけでなく、体の動きそのものも封じてしまい、固まって動かなくなる。

 逆に、話はできないけど、運動が得意な人もいる。

高校でクラスになじめず緘黙症に
後遺症に苦しみ引きこもる40代

 40代のAさんは、私立高校に入学してから突然、話ができなくなった。

 高校時代の3年間、一切、人と交流することがなく、心を閉ざし続けた。卒業後も、「緘黙症」のいろいろな後遺症に苦しんだ。

 中学時代までは普通だった。

 とくに小学校の頃は、児童会に立候補して、副会長になり、全校生徒の前でマイクを持って話すことを何のためらいもなく行っていた。

 なぜ、こんなに変わったのか。自分でも不思議だった。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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