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財部誠一の現代日本私観

コンビニは第2の成長期に突入
“カット野菜”の進化が示すローソンの未来

財部誠一 [経済ジャーナリスト]
【第13回】 2012年5月22日
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 ローソン社長、新浪剛史は久しぶりに強い手ごたえを感じている。2011年度の小売業界の好決算に気づいていない人には、頓珍漢なほどに、違和感のあるコメントに違いない。

 ついこのあいだまで、百貨店やスーパーマーケットなどの流通業界は十数年以上も、毎年、売上を減らしてきた。たしかにコンビニ業界は、長期低迷を続けてきた流通業界のなかでは優等生で、百貨店やスーパーマーケットとの比較で言えば、それなりの業績を残してきた。ところが今年の2月、3月決算で、流通業界に“異変”が起きた。15年連続減収からついに抜け出す百貨店が現れてきたのだ。三越伊勢丹にいたっては、国内全店黒字という快挙を達成。スーパーマーケット業界の二大勢力、イトーヨーカドーとイオンがともに史上最高利益を更新した。

 まさにV字回復を実現した流通業界だが、そのなかにあってもローソンを率いる新浪の鼻息は荒い。時間軸を輪切りにして、今年は史上最高決算が達成できたと喜ぶわけではなく、長い歴史のなかでコンビニ業界は「第2の成長期」に突入したというのだから、驚いてしまう。

 そもそもコンビニ業界にとって黄金期は1980年代後半のバブル経済時代だった。とにかく店を出せば売上も利益も伸びる。出店競争をしながら、コンビニ業界全体が急成長した。ここが第一次成長期だった。バブル崩壊後もコンビニは加盟店の拡大に走り続けたもののしだいに失速。新浪に言わせれば「2000年前後にコンビニは停滞期にはいった」という。

 「第一次成長期のコンビニは、小さな店舗スペースにどんな商品を並べるのがいいのか、次から次へと面白いチャレンジをしながら、コンビニという新しい業態を創り出していた時代でした。ところがある程度完成してきたところで、今度は成長するために店の数を増やすことにばかり注力し始めた。出店競争でコンビニどうしの食い合いになってしまった。ところがここにきてコンビニは第二次成長期を迎えている」

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 もちろん突如として「第2の成長期」がやってきたわけではない。

 5月18日に報道ステーションでローソンの特集を放送し、その取材過程で、社長の新浪の話を東京大崎にある本社の社長室や恵比寿にあるローソンの店舗で、じっくりと聞くことができた。

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財部誠一 [経済ジャーナリスト]

1956年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、野村證券に入社。同社退社後、3年間の出版社勤務を経てフリーランスジャーナリストに。金融、経済誌に多く寄稿し、気鋭のジャーナリストとして期待される。BS日テレ『財部ビジネス研究所』、テレビ朝日『報道ステーション』等、TVやラジオでも活躍中。また、経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」を主宰し、「財政均衡法」など各種の政策提言を行っている。


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経済ジャーナリスト・財部誠一が混迷を極める日本経済の現状を鋭く斬るコラム。数々の取材から見えた世界情勢を鋭く分析するとともに、現代日本にふさわしい企業、そして国のあり方を提言していく。

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