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野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む

日本の経済成長を世界最悪レベルと見通した、世界銀行とOECDの予測

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第27回】 2009年6月27日
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 6月24日に発表された貿易統計(速報)では、日本の2009年5月の輸出総額は、4月に比べて若干減少した。日本の輸出総額は、09年1月を底として2月、3月、4月と3ヶ月連続で増加していたが、足踏みに転じたわけだ。

 もっとも、例年5月は他の月に比べて輸出額が減少する傾向があるので、これは格別驚くような事態ではない。内閣府が試算する輸出数量指数では、輸出は前月に比べ5.9%増とされている。しかし、季節調整については、別の数字もある。貿易統計の季節調整計数では、4月に比べてマイナス0.3%となっている。

 このように、5月の計数については、まだ評価が確定できない部分もある。しかし、落ち込んだ輸出が急速に回復するわけではないことは明らかだ。

 現在の日本の輸出額は、08年夏頃までに比べると、5~6割程度の水準である。今後もほぼこの程度の水準が続くと考えてよいだろう。08年頃までの水準に戻ることは、少なくとも近い将来に関する限り絶望的と考えざるをえない。

 「今後の経済が回復するにしてもL字型」と言われるが、【図表1】に示したパタンが、それをよく示している。08年夏頃までの高水準の経済活動が、09年秋に一挙に崩壊した。急降下は09年の初めに終わったが、底からは横這い状態が続くだけで、元の水準には戻れない。うまくいったとしても、落ち込み前の7割程度の水準が続くだけである。

【図表1】日本の輸出総額の推移
資料:財務省「貿易統計」
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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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