
日本にやってくる中国人の中に「日本人は英語が苦手でコンプレックスがあるから、英語を使えば議論で優位に立てる」「中国語や日本語ではなく、英語を話したほうが尊敬してもらえる」「特にトラブルのときは、英語を話せば優位に立てる」という主張をする人が増えているという。日本人と中国人の子どもどうしのトラブルや、日本の飲食店での経験談が中国のSNSで拡散されているが、本質的な問題は「英語」ではなく「中国人の価値観、マウント」なのではないだろうか?
日本に来る中国人が「こうすれば日本人の態度が変わる」と思っていること
日本に住む一部の中国人、あるいは日本を訪れる観光客の中には、「日本人は英語が苦手だから、英語を使えば議論で優位に立てる」「英語を話せばサービス業の対応や接客も良くなる」と考える人が少なからず存在する。とりわけトラブル時には、英語でやりとりすれば日本人が萎縮し、言い返せなくなるという認識すらある。つまり、「英語=力」という価値観だ。
実際に、日本人よりも中国人のほうが英語力が上かどうかについて触れるつもりはない。ただここで述べたいのは、そう考える中国人が少なからずいるということと、このような考え方には単なる言語スキルの問題だけでなく、中国の文化的・社会的な背景が色濃く反映されている、ということだ。
中国SNSで話題になった一本の動画
最近、中国のSNS上で大きな波紋を呼んだ一本の動画がある。
投稿者は中国・上海出身で、現在は東京に移住して暮らしている女性である。彼女の息子は都内の楽団の練習に参加しており、ある日、日本人の子どもが不注意で彼女の息子の楽器の弓を壊してしまったという。