他人に自分の目標を立ててもらう――ユニークなワークショップをご紹介します。他人に自分の目標を立ててもらう、「タニモク」――自分の限られた知識や経験では決して出てこない案が、他人の目線を借りることで見えてくる

自分の経験だけでは
人生100年時代を生き抜けない

 よい目標は人生さえも変える。

 終身雇用が当たり前の時代は、働く場面での目標設定は必要なかった。上司や先輩から指示された内容を、そっくりそのまま早く習得すればよかったのだ。「上司のようになること」が、キャリアアップの最短コースだった。選択肢は常に1つである。

 しかし今は、かつての成功体験はまったく通用しなくなった。人生100年時代と言われている一方、会社の寿命は平均23.5歳まで下がっている。よって、1つの会社にしがみつくのではなく、転職をはじめ、副業をするなど様々な働き方を模索する必要がある。

 働き方が多様化し、自己責任の時代となった今においては、人生のターニングポイントで目標を設定し、選択することが非常に重要なのだ。

 よい目標を立てるためにはまずは自分自身、そして自分の状況を客観的に考える必要がある。しかし、これが意外と難しいのだ。人間とは主観的な生き物だ。殻にこもって考えると、どうしても感情というフィルターがかかり、自分を過大評価したり過小評価してしまう。

 また人生経験を積み重ねていく中で、自分自身に対して「決めつけ」をしてしまうこともあるだろう。

 そして「世の仕事を知る」ことも簡単ではない。自分の経験や交友関係で知り得た情報に基づいて考える以外に、選択肢がないからだ。しかし、自分が知らない職業や働き方はたくさん存在する。