2000年に固定電話の契約者数を抜く
平成がそろそろ終わろうとしている。この30余年の間でさまざまな新しい常識が生まれてきたが、そのなかで身近で、かつインパクトの強いものとして、「携帯電話」の存在が挙げられる。今や携帯電話がない生活が想像つかないくらいである。
総務省の調査によると、携帯電話とPHSの契約数が固定電話サービス(加入電話とISDN)の契約数を抜いたのは2000年のこと。1996年から2002年にかけて年間約1000万契約のペースで増加していったという。固定電話に不慣れな新入社員がいるということにもうなずける。彼、彼女たちが物心ついたころには、携帯電話が主流となっていた。
堀井憲一郎氏の著作『若者殺しの時代』(講談社現代新書)では、トレンディドラマで初めて携帯電話を使ったのは石田純一氏だと紹介されている。1989年1月の『君の瞳に恋してる!』(フジテレビ系列)での一コマだったという。1989年といえば、時代が昭和から平成に移り変わった年。まさに、携帯電話の歴史は、平成とともにあったといえる。