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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

ドラッカーが問いかけた
いかなる組織にもかかわる
「最も重要な5つの質問」

上田惇生
【第291回】 2012年6月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
1575円(税込)

 「最も重要な5つの質問とは、われわれのミッションは何か、われわれの顧客は誰か、顧客にとっての価値は何か、われわれにとっての成果は何か、われわれの計画は何か、という5つの質問からなる経営ツールである」(『経営者に贈る5つの質問』)

 人と人が共に働くとき、立派な仕事が行なわれる。そのためのものとして、マネジメントは大企業で始まり、中堅企業に使われた。やがて中小企業に移植され、政府機関でも使われ、ついには大学や病院などの大手の非営利組織で使われるに至った。こうして最後に取り残されたのが、中小の非営利組織、いわゆるNPOだった。

 「おカネのないわれわれのための経営ツールを考えてほしい」との声に応じて、ドラッカーが開発して成果を上げ、今度は逆の経路をたどって、大企業において使われるようになったものが、この「あなたの組織にとっての最も重要な5つの質問」である。

 成果が現れるのは、今日ではなく明日かもしれない。しかし行動するのは、明日ではなく今日である。今日以外に行動の日はない。

 行動するにはミッションがなければならない。したがって、経営において、まず考えるべきものがミッションである。何のための組織であり、経営かである。ここが欠落していたのでは、いかに仕事ができても意味はない。むしろ、社会にとって危うげとなり、本人たちにとっても危うげとなる。

 ミッションがあれば、顧客がいるはずである。顧客を満足させるには、顧客にとっての価値を知らなければならない。そのようにして、初めて、上げるべき成果も明らかになる。さらには、計画を立てることもできるようになる。

 元全米ガールスカウト連盟CEOのフランセス・ヘッセルバインは、「いかなる組織であろうと、ドラッカーの問いかける5つの簡単な質問に答えられない限り、顧客、組織、自らに対し、知らずして害をなすことになる」という。

 「5つの質問がもたらすものは、行動のための計画である。計画とは明日決定するものではない。決定することのできるのは、つねに今日である。明日のための目標は必要である。しかし問題は明日何をするかではない。明日成果を得るために、今日何をするかである」(『経営者に贈る5つの質問』)

週刊ダイヤモンド

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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