ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道

胡錦濤のわずか15分の1?
福田首相に対するアメリカ人の関心度

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第35回】 2008年7月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 日本の政治家がニューヨーク・タイムズ(NYT)の記事にどの程度登場するのかを調べてみよう。ここでは、首相経験者を取り上げることにする(終戦直後の期間については省略)。

 下記【表1】の「NYT記事数」欄は、その人の名が含まれている記事の総数を示す(期間は限定していない)。

 断然トップなのが小泉純一郎で、記事総数は2万近くになっている(以下、人名の敬称略)。5000を超えているのは、彼の他には、橋本龍太郎、宮澤喜一、中曾根康弘だけである。

 アメリカの知識人に「日本の政治家で知っている名をあげよ」と問えば、おそらくこの4人の名があがるだろう。その他の首相経験者の名を知っているのは、かなりの日本通ということになるのではないだろうか。講和を実現した吉田茂が1000に及ばず、ノーベル平和賞の受賞者佐藤栄作や、日本では誰もがその名を知っている田中角栄が1000をわずかに上回るだけというのは、日本人にとっては、やや意外な結果だ。

◎【表1】ニューヨーク・タイムズに現れる首相経験者の記事数(2008年7月25日現在)
表1

 ところで、新聞記事に登場する回数は、首相在任期間とも強く関連していると思われる。そこで、首相在任日数1日当たりの記事数を計算してみると、【表1】の「1日当たり記事数」欄の数字になる。

 在任期間が短い人のほうが1日当たり記事数が多くなるバイアスがあるように見えるが、その点も留意した上でこの数字を眺めてみると、小泉純一郎が格別高いわけではない。橋本龍太郎以後の首相経験者は、誰も1日当たり記事数が6件を超える水準になっている。そのなかで最も多いのは安倍晋三だ。小泉純一郎の総記事数が多いのは、首相在任期間が長かったためかもしれない。

 アメリカの政治家がしばしば小泉の名を口にすることから、彼のスタイルがアメリカ人好みだと言われることがある(たとえば、「06年7月のアメリカ訪問の際にブッシュ大統領とプレスリーの生家を訪れたときのパフォーマンスがアメリカ人好みだ」などと言われることがある。もっとも、これを伝えるNYTの記事はかなり辛らつだが)。しかし、ここの数字からは、そうした仮説は確かめられない。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
野口悠紀雄氏の最新刊「円安バブル崩壊」好評発売中!

急激な円高と止まらぬ株価下落。日本経済はいまや深刻な危機に。「サブプライムショック」はあくまでも引き金に過ぎない。根本的な原因は、あり得ない円安・低金利政策にある。経済政策の無能を厳しく指弾する痛快経済エッセイ! 1680円(税込)

話題の記事

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

------------最新経済データがすぐわかる!------------
『野口悠紀雄 使える!「経済データ」への道』


野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道

本当に使える情報源を求めて、野口教授が広大なインターネット・ワールドを駆けめぐる。各種情報源の特徴から使い勝手まで、辛口コメントを交えて大公開!

「野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道」

⇒バックナンバー一覧