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ユニクロ監査役が書いた 強い会社をつくる会計の教科書
【第4回】 2012年6月15日
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安本隆晴 [公認会計士・税理士、株式上場準備コンサルタント]

損益分岐点を見れば一番ムダなものが分かる

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ユニクロの成長を会計面から支えてきた公認会計士・安本隆晴氏に「会社を成長体質に変える数字の使い方」を紹介してもらいます。今回は、経営者が必ず知っておかなければならない「損益分岐点」の導き方と対策を取り上げます。会社が効率よく利益を上げるために、どんな視点が必要なのでしょう?

損益分岐点はこうして計算する

 損益分岐点とは、費用(変動費+固定費)と売上高が均衡して、ちょうど損益がゼロになる売上高のことです。文字どおり「損と益が分岐する点(売上高)」という意味です。自社の基本的な損益構造のカギになるものなので、ぜひとも知っておきたい指標です。

 最初にやらなくてはいけないのは、売上を上げるためのすべての費用を、「固定費」と「変動費」に無理やり区分することです。売上の変化に応じて変動するのが変動費、売上が上がろうが上がるまいがゼロでも発生するのが固定費です。

 売上原価はほとんどが変動費です。販売費及び一般管理費の多くは固定費ですが、変動費が含まれるので多少粗っぽい判断になっても適当に区別しなくてはいけません。販売手数料・クレジット手数料、包装費、荷造運賃など売上に伴って発生(変動)する経費は変動費です。

 人件費のうち正社員の人件費や役員報酬は全額が固定費ですが、アルバイト人件費は変動費と考えたほうがよいでしょう。100%変動費ではないにしても、自社の勤務実態(シフト)に応じて7割が変動費とか、半分程度とか、と割り切って決めます。

 損益分岐点を算出するには、固定費を限界利益率(1から変動費比率を引いた数値です)で割ります。つまり分子は固定費、分母が1から変動費比率(変動費÷売上高)を引いた数値になります。

 目標利益を決めている場合には、分子の固定費にその目標利益を足して計算すれば、目標利益を達成するための売上高(損益分岐点)が算出できます。

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安本隆晴 [公認会計士・税理士、株式上場準備コンサルタント]

1954年静岡生まれ。1976年早稲田大学商学部卒業後、朝日監査法人(現・あずさ監査法人)などを経て、安本公認会計士事務所を設立。1990年(株)ファーストリテイリング(旧・小郡商事)の柳井正社長と出会い、以降、株式上場準備コンサルタント・監査役として、同社の成長を会計面から支えてきた。現在、アスクル(株)、(株)リンク・セオリー・ジャパン、(株)UBICの監査役でもある。2013年3月まで6年間にわたり中央大学専門職大学院国際会計研究科特任教授を務めた。2014年5月より若手経営者向けの勉強会「未来経営塾」を開講している。

著書に『強い会社をつくる会計の教科書』『伸びる会社をつくる起業の教科書』『「ユニクロ」!監査役実録』(以上、ダイヤモンド社)、『コンサルタントは決算書のどこを見ているのか』(PHP研究所)など。柳井正著『一勝九敗』『成功は一日で捨て去れ』(ともに新潮社)の編集にも携わった。

 


ユニクロ監査役が書いた 強い会社をつくる会計の教科書

会社の決算書は、利害関係者に対して説明責任を果たすツールであるとともに、現在の会社の真の姿を映し出す鏡でもあります。この鏡に表れた数字をつぶさに観察し、それを次の行動に活かすことによって、会計の力で会社を変えることができます。ユニクロ、アスクルなどの成長を支えた安本氏が、会社を成長体質に変える数字の使い方、教えます。

「ユニクロ監査役が書いた 強い会社をつくる会計の教科書」

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