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中国-労働集約型産業=「?」
製造業の空洞化はむしろ中国の問題だ

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第101回】 2012年6月15日
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 ローエンド型のものづくりなしで、雇用を維持するのは困難だ。しかし、ローエンド型のものづくりは、中国政府がほとんど顧みることもせず、むしろそれを邪険に扱ってきたきらいすらある。日本の中小企業でも、ローエンド型企業は都市部に留まることを許されず、地方に移転するか、もしくは自社がハイテク企業に脱皮するしかなかった。

 ましてや、“ローエンドの地場の中小企業”ともなれば、中国では地方政府からも一顧だにされなかった。にもかかわらず、産業のグレードアップだの、技術革新だのと、頭ごなしの要求だけは突きつけられる。

 産業構造の高度化推進政策(低付加価値の労働集約型から高付加価値の知識集約型への転換)の代名詞として、「騰籠換鳥」という言葉がある。直訳すれば、「鳥かごを開けて鳥を入れ替える」の意味だが、まさしく何かを入れ替えさえすればそれで事はうまく運ぶと思っているのだ。

製造業育成は一日にしてならず
人材の重要さに気づいていない中国

 日本のものづくりは、十数年もコツコツと同じ事を繰り返してきた、その継続にある。削って何年、磨いて何年という歳月の果てに技術の基礎を築き、人材を育てた。しかし、中国にはそれができない。国もそこに価値を置かなければ、その担い手となる若者も、地味な仕事には振り向きもしない。目には見えない人材への教育や技術の蓄積が、製造業の底力となることに気づいていないのだ。

 経済発展を支えてきた労働力である民工が「減り」、そして「働かなくなる」。しかし、労働集約型産業を捨てられるほど、中国のものづくりは底上げされているわけではない。

 ここ十数年、「世界の工場」と呼ばれてきた中国は、今まさに足元が揺らいでいる。にもかかわらず、「製造業がダメでも消費市場で発展できる」という確信を持っており、また、国有資産の規模の大きさ、基礎インフラの需要増、国内市場の拡大、豊富な人材などの諸要因を理由に、「2020年、中国は超級大国になる」といった自信も覗かせる。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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