ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

入社、退職、転職、それがどうした!
1億総FA宣言せよ

加藤嘉一
【第12回】 2012年6月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 先日、一時帰国をしていた際、有名大企業で働く同世代からある愚痴を聞いた。

 「僕たちだって組織の中で勝負していきたいんですよ。若い世代が問題意識を持っていないと言われますが、それは違うと思います」

 私はいつになく聞き役に徹する。彼は続ける。

 「僕らが新しいプロジェクトを立ち上げようとしても、組織が大きすぎて何も動かないし何も変わらない。40代、50代になっても何もしないで、ただポストに居座りながら高い給料をもらっている上司を見ると、心が空しくなるんですよ」

 第11回コラムでも指摘したように、日本の若者は決して「盲目的な内向き集団」などではない。意識を高く持ち、成長するために日々努力している同志は少なくない。私は彼ら、彼女らと共に、日本再生のために闘っていきたい。

入社、退職、転職、独立、だから何だ!

 以前と変わらず、新卒で入社した企業をわずか2~3年で辞める若者は多い。最近では、そのことを得意げに話す若者もいると、知人が教えてくれた。

 それを聞いた私の感想は「想像に難くない」というものだ。

 終身雇用、年功序列、均質主義といった企業文化になじめない若者が増えている。日本の高度経済成長期を支えた伝統的な就業観は、少なくとも若者世代の間では半ば崩壊している、というのが私の皮膚感覚だ。

 問題は、若者のマインドセットが時代の変化に敏感に反応しつつある状況下において、組織の文化や社会の風潮が「後ろ向き」であることだ。つまり、世の中が依然として過去における成功体験、ノスタルジアに縛られているのだ。若者が、そんな時代錯誤な感覚を引きずった組織から離れるのは、当然のことかもしれない。

 そもそも、企業や組織に属する事や短期間で辞めること自体、良い・悪いとか、すごい・すごくない、特別・平凡などというように、評価する次元の話ではない。

 企業に入社する、辞める、転職する、独立する……。それがどうした。だから何だ!

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
われ日本海の橋とならん

人の波がぶつかりあい、時代のエネルギーが炸裂する。アジアでいちばん激しく、生命力があふれた国、中国。その中国で「もっとも有名な日本人」となった著者が、内側から見た人にしかわからないリアルタイムの中国を語ります。そこから見えてくるのは、中国、日本、世界の現在。日本は、そして日本人は、これからいったいどこへ向かえばいいのか。私たちの課題も見えてきます。

話題の記事

加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

 「だったら、お前がやれ!」
この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。もともと、この言葉は加藤嘉一氏の亡くなった父の口癖だったが、加藤氏は自らの行動規範として常に心に留めている。相手に対して意見するとき、必ず自らに問いかける。
そんな加藤氏が今、憂いているのは、日本社会にあまりにも無責任な批判、意見、論評が多いということだ。本連載では、日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示す。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る」

⇒バックナンバー一覧