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山崎元のマネー経済の歩き方

新聞のマーケット報道に改善の余地あり

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第3回】 2007年10月16日
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 ある程度以上の投資を行なっている場合、少なくとも日米の株価、為替レート、金利(主に長期金利)について、動きを見て理由を納得するのは「基本動作」だろう。

 たとえば、9月18日にFRB(米連邦準備制度理事会)がおおかたの予想を上回って0.5%のFF金利の誘導目標の引き下げを行なったときの市場の反応を見るなら、以下のとおりだ。

 米株価は、事前の予想よりも大きく利下げが行なわれたことで急騰した。これを米景気への好材料と見て、米長期金利(長期国債の利回り)も上昇したし、米景気がこれまでの認識よりもよいなら、米国への資金流入は減るまいと、米ドルの為替レートも一般的な予想に反してドル高に振れた。

 これを受けた日本の市場では、まず米株価の高騰を受けて直接的に株価が上昇し、円安になったこととその背景の米景気に対する見通しの改善で、輸出企業の影響が大きい日本の平均株価は、さらに上昇したと考えられる。この見方の傍証として、翌9月19日に日銀の利上げ見送りが発表されたにもかかわらず、日本の長期金利も上昇したことが指摘できる。債券市場では、日本の景気にもプラスの効果があると解釈したのだろうし、為替が円安に戻ってきたことも金利上昇要因だった。

 後はともかく(筆者が予想する今後は、それほど明るくない)、この一両日に関しては、「0.5%幅」というサプライズ(意外感)と、これが米景気にもたらす、プラス効果への評価が圧倒的だった。

 筆者の考えた原因と結果が、必ずしも正しいとは限らないが、主な市場の指標を見て、なんらかのストーリーを組み立て、状況を理解する積み重ねがあって、経済的なイベントの資産市場への影響がよくわかるようになってくる。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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