3人のスター選手が
揃って「絶不調」

 球界を代表するスターだった選手が今、揃って崖っぷちに立たされている。MLBでプレーする松井秀喜と松坂大輔、そして巨人の小笠原道大だ。

 いまさら語るまでもないが、3人は成績はもちろん、プレーの印象度も存在感も群を抜く本物のスター。常にスポットライトの当たる選手生活を送ってきた。

 松井は高校時代から怪物扱い。通算の打率4割5分、60本塁打という驚異的な数字に加え、高3の夏の甲子園では5打席連続敬遠の伝説を作り、93年に巨人入りする。巨人では4番を打ち、在籍10年間で4回のリーグ優勝に貢献(うち日本一3回)。332本塁打、3割4厘の数字を残した。02年には自己最多の50本塁打を打ち、本塁打王、打点王の2冠を獲得。チームの日本一に働いた後、FA権を行使してMLBの名門・ニューヨーク・ヤンキースに移籍した。この時の契約金は3年総額で2100万ドル。約19億円だった。

 ヤンキースでも1年目から活躍。クリーンアップを任されることも多く、オールスターゲームにも出場した。メジャーには松井以上のホームランバッターがたくさんいるため、役割は中距離打者に変わったが、それでも2年目には31本塁打を記録。順調な選手生活を送った。

 4年目に守備のアクシデントで左手首を骨折。長期離脱することになったが、回復後はその影響を感じさせないプレーを見せた。そしてヤンキースに入って7年目の09年、ワールドシリーズで3本塁打8打点、打率6割1分5厘と打ちまくり、世界一に貢献。日本人初となるシリーズMVPに輝いた。最高の栄誉を味わった瞬間だ。

 しかし、こんな活躍をしたにもかかわらず、ヤンキースは契約更改をせず、松井の流転生活が始まる。10年にはロサンゼルス・エンゼルスに移籍。21本塁打のまずまずの成績を残したが、調子の波が大きいことを理由に再契約されず、11年はオークランド・アスレチックスに移った。だが、ここでは打率2割5分、12本塁打の成績しか残せず退団。その後、獲得オファーの声はかからず、今年は所属球団がないまま開幕を迎えた。