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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【レディオヘッド「OK コンピューター」】
中途半端な世紀末に
未体験な刺激をもってリスナーを覚醒させる

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第38回】 2012年7月19日
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 或る月の綺麗な夜、都内某所の音楽バーで次のような会話がありました。

 「君は未来を信じるかい?」
 「いや、悲観的です」
 「どうして?」
 「目に入ってくるもの耳にはいっていくるもの、全てが悪い話ばかりですから」
 「希望は別に希望の色をしているわけじゃないぜ」
 「どういう意味ですか?」
 「夜明け前が一番暗いんだから、悲惨な状況にこそ希望の種があるってことさ」
 「どうして、そんなに楽観的になれるんですか?」
 「新しいものは、常に混乱の極みのカオスから生まれてきたからさ」
 「そういうもんですか?」
 「そうだ。信じられないかい?」
 「ええ、納得いきませんけど」
 「じゃあ、レディオヘッドのOKコンピューターでも聴きたまえ」
 「はあ…?」

 と、いう訳で、今週の音盤はレディオヘッド「ブリッジ・トゥ・バビロン」です(写真)。

未体験な刺激

 このアルバムは、20世紀の最後の数年間に生み出された全てのロック音楽の中の最高峰です。

 発表されたのは、1997年6月です。もうすぐ20世紀も終わろうかという時期でした。米ソの冷戦が終わったものの、世界は平和の配当を十分に享受した訳ではなく、素晴らしい時代が来るはずだという確信が揺らぎ始めた時でした。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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