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出口治明の提言:日本の優先順位

グローバル人材とは何か、どうやって育てるのか

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長兼CEO]
【第57回】 2012年7月31日
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 経済のグローバル化に伴い、グローバル人材の重要性や、その育成については、わが国の至るところで語られていると言っても、決して過言ではない。ところで、グローバル人材の定義とは、一体何か。それが明確にならないと、その育成方法も焦点が定まらなくなってしまうように思われる。今回は、グローバル人材について、考察してみたい。

グローバル人材の
定義を現場に聴く

 グローバル人材の定義については、数多くの書物に、それこそ無数の言葉が溢れている感が強いが、「よくわからない時は、まず現場に聴く」という格言通りに、わが国の多くの企業が今後の成長のために求めている人材像をヒアリングして、確認してみた。それは、意外なほどにシンプルなものであった。

 「未知の世界、時に非常に厳しい環境に、『面白そうだ』『やってみたい』という気持ちで、積極的に飛び込んでいく前向きな気持ち、姿勢・行動力を持っていること。そして、入社後に一皮、二皮剥けるため、『最後までやり抜く』『タフネスさ』があること。しっかりと自分の頭で考え、課題を解決しようとすること。」(厚生労働省、第9回雇用政策研究会資料。2012年7月23日)

 要するに、

 1.未知の世界に飛び込める行動力
  2.最後までやり抜くタフネスさ
  3.自分の頭で考え、課題を解決する能力

 の3点である。これが、企業が求めるグローバル人材の定義だとすれば、昔から企業の求める人材の素養は、あまり大きくは変化していないのではないかと考えることもできるし、逆に、見方を少し変えれば、それだからこそ、わが国の企業はグローバル経済に乗り遅れたのだと考えることもできるだろう。それはひとまず置いて、少なくとも、わが国企業が求めているグローバル人材像は明らかになったので、次にこの3つの素養は、どうやれば鍛えることができるのか、という点について考えてみたい。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長兼CEO]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の社長であり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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