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上久保誠人のクリティカル・アナリティクス

英国留学1年目の悲惨な経験を話そう
「覚悟」があれば誰でもグローバル人材になれる

上久保誠人 [立命館大学政策科学部教授、立命館大学地域情報研究所所長]
【第32回】 2012年3月28日
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 英国で行った講演の「録音」が大和日英基金のHPに掲載された。見事な「カタカナ英語」で恥ずかしい限りだが、講演後に英国人聴衆から「とても明快だった」とのコメントを頂いた。

 高校卒業後、13年間ほとんど英語を使うことがなかった。商社に勤務していたが、ずっと国内鉄鋼部門にいた。会社を辞めて、30歳を過ぎてゼロから英語を勉強し直した。そこから12年かけて、ここまでできるようになった。これを聴いて「これなら自分もできるかも」と思う方がいてくれればと思う。海外で仕事をすることは、一部のエリートや帰国子女だけのものではないのだ。

「グローバル人材」とは
「宇宙人」のようなものか

 円高による日本企業の工場移転、海外M&Aの展開(第26回を参照のこと)や、日本企業への就職を目指すアジアからの留学生の増加など、「グローバル化」の進展によって、東京大学の学部「秋入学」の提唱(第28回を参照のこと)に象徴されるように、国境を超えて活躍できる「グローバル人材」の育成が、課題として急浮上してきた。巷には「グローバル人材養成論」の類のマニュアル本が溢れている。「語学力」「コミュニケーション能力」「ネットワーキング能力」などが「グローバル人材」の条件とされ、その習得のためのノウハウが書かれている。

 だが、「グローバル人材」の条件がわかっても、それらは簡単に身に付くものではない。私自身、英語をゼロから勉強し直して、ようやく世界的権威に顔を覚えてもらえるようになるまで、12年かかった(第31回を参照のこと)。しかし、日本の若者が「グローバル人材」になるために、そんな長い月日はかけられないだろう。大学入学後、わずか2年半後に就職活動が始まる。その時、必要な語学力、スキルを身に付けていなければ、企業からは「外国人の若者を採用する」と、冷たく突き放されてしまうのだ。

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上久保誠人 [立命館大学政策科学部教授、立命館大学地域情報研究所所長]

1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。博士論文タイトルはBureaucratic Behaviour and Policy Change: Reforming the Role of Japan’s Ministry of Finance。

 


上久保誠人のクリティカル・アナリティクス

国際関係、国内政治で起きているさまざまな出来事を、通説に捉われず批判的思考を持ち、人間の合理的行動や、その背景の歴史、文化、構造、慣習などさまざまな枠組を使い分析する。

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