なぜWiiは「Wii」という
名前なのだろう?
第1、2回の連載で、コンセプトの概要について、ざっくりとお話をしました。
本当はコンセプト作りに欠かせない登場人物たちについてや、コンセプトを生み出すまでの「コンセプトワーク」の方法も解説したかったのですが、連載のボリュームの都合で割愛し、コンセプト作りに成功した後のプロセスについて今回はお話したいと思います。(このあたりについては拙著に詳しく書いていますので、ご興味のある方はぜひご一読ください)
ものづくりのゴールはあくまでも、「良いものを作る」ことであって、「良いことを考える 」ことではありません。
というわけで、生み出されたコンセプトがプロジェクトの段階でどう活きるのかについて、Wiiの例で見てみましょう。
この後の質問の「答え」を見ていただくとわかると思いますが、Wiiの場合、「ゲーム人口の拡大」という会社のコンセプトがスタート地点になっていることがわかります。
その後「家族」「嫌われない」「テレビ」といったキーワードが続いていき、それらが理由となって他のさまざまな仕様も定められていっています。
以下の質問について、イメージしてみてください。
1.なぜWiiは「Wii」という名前なのだろう?
2.なぜWiiリモコン(Wiiのコントローラー)は「リモコン」なのだろう?
3.なぜWiiは、本体がコンパクトなのか?
これらはすべて、その仕様がなぜその仕様になっているのかを質問しているものです。任天堂が公式に述べている答えは次の通りです。