ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
弁護士・永沢徹 企業乱世を読み解く

「師走は“士走”」――12月はデューデリの季節

永沢 徹 [弁護士]
【第8回】 2007年12月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 デューデリジェンス(Due Diligence)は、英語で「当然支払うべき 努力」という意味で、「デューデリ」や「DD」と短縮されて呼ばれる。
 その名の通り、M&Aや投資を行う際には不可欠な事前審査作業で、対象会社の財務や法務に関するリスクマネジメントの状況を調べ、投資するうえでの損失やリスクを回避する。

 M&Aのデューデリは、なぜか12月に集中する。師走ならぬ“士走”ではないかと思えるほどに、弁護士、公認会計士、税理士、案件によっては不動産鑑定士、一級建築士など、「士業」といわれる資格者たちが、買収案件で一斉に駆けずり回る季節なのだ。

 なぜ、12月にデューデリが集中するのかというと、一つには、3月決算の会社が多いのが、その理由だ。3月期決算の会社にとって12月末は一つの区切りになる。つまり、3月末までにM&Aのディールを完了させるためには、どうしても12月末までにデューデリを終える必要があるのだ。行事カレンダーから考えても、6月末に株主総会があり、9月期の中間決算が11月には出揃う。そういうわけで、11月から12月にかけて新たな動きに出る企業が多い。毎年この時期は、我々M&Aを仕事とする弁護士は多忙なのだが、今年は例年以上に案件が増え、多くの事務所で文字通り猫の手も借りたい程の状況となっている。

 デューデリ作業は、実施する側が要求する資料のリストと質問事項を相手に送るところから始まる。どのような資料を要求し、どのような質問事項をするかで、デューデリの成否が決まるといっても過言ではない。

 「データルーム」といわれる部屋が用意され、そこにデューデリ実施側が要求したリストがその要求番号に従って備置される。データルームは、対象会社の会議室等が利用されることもあるが、秘密を守るために売り手側のアドバイザーを務める投資銀行の会議室やセキュリティのしっかりした貸会議室が用意されることもある。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

永沢 徹 [弁護士]

1959年栃木県生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験合格。卒業後の84年、弁護士登録。95年、永沢法律事務所(現永沢総合法律事務所)を設立。M&Aのエキスパートとして数多くの案件に関わる。著書は「大買収時代」(光文社)など多数。永沢総合法律事務所ホームページ


弁護士・永沢徹 企業乱世を読み解く

100年に一度の経済危機に見舞われ、企業を取り巻く環境は大幅に悪化。“企業乱世”ともいえる激動時代の経済ニュースを、弁護士・永沢徹が法的な視点を加えながらわかりやすく解説する。

「弁護士・永沢徹 企業乱世を読み解く」

⇒バックナンバー一覧