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ミャンマー その投資ブームは本物か

駐日ミャンマー大使からのメッセージ
「インフラ未整備だが、それは日本企業にチャンスだ」

杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]
【第3回】 2012年8月23日
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 「ミャンマーには、投資対象として大きなポテンシャルがある。ただ、夢を見ているだけでは、現実的に何も作り出すことができない。できる範囲で始めることが大切だ」(駐日ミャンマー連邦共和国大使 キン・マウン・ティン氏)

 先日、ミャンマー日本大使館のトップを務める駐日ミャンマー連邦共和国大使 キン・マウン・ティン氏と会談し、その際に大使から日本企業の今後のミャンマー投資に対する思いを直接聞く機会があった。今回は、ミャンマー政府の日本企業に対する熱いメッセージを、よりダイレクトに伝わるようお伝えしたい。

ミャンマー政府として
日本企業に期待している

キン・マウン・ティン 駐日ミャンマー連邦共和国大使(左)と会談する筆者(右)
Photo by Kazutoshi Sumitomo

 大使は昨年2月に着任したが、現在に至る軌跡は、日本とミャンマーの政治・経済的な繋がりが抜本的に変化し強化されていった時期に符合しており、政府間でのトップクラスの交渉が成功裏に進展したのは、大使の強力な調整能力に負うところが大きい。これはちょうどミャンマーが経済面でも大きく注目され始めた時期に重なっており、以来日本におけるミャンマー投資熱の高まりの中で、大使もセミナー等を通じて積極的に経済・投資環境等の情報発信に努めているという。

 なお、ミャンマー駐日大使というポジションは、日本との歴史的関係や現在の経済的なつながりにも鑑み、ミャンマーにおいて重要な役割と位置付けられており、政府内での有力者が就くポジションとなっている。実際に、前任の駐日大使であったフラ・ミン氏は、現在ヤンゴン市長を務めている。

 「ちょうど私が日本に着任する前後から、ミャンマー政府と日本政府との関係はより深いレベルに進展しはじめた。2011年6月の外務省の菊田政務官のミャンマー訪問後、ワナ・マウン・ルイン ミャンマー外務大臣が同年10月に同国外相として16年ぶりに来日した。その後同年12月に日本からの玄葉外務大臣が、日本の外相として9年ぶりにミャンマーを訪問した。2011年11月のバリ島における東アジア首脳会談で、野田‐ティン・セイン会談が実現し、その後今年の4月の第4回日本・メコン地域諸国首脳会議に向けてティン・セイン大統領が来日し、日緬首脳会談が行われた。

 日本とミャンマーの政治面での関係強化は、経済面での交流促進とも軌を一にしており、例えば玄葉外務大臣の訪問後、枝野経済産業大臣が2012年1月にミャンマーを訪問しているが、その際には多くの日本企業関係者もそのミッションに参加している。経済団体の代表や商社等、日本の企業関係者は最近より直接政府関係者との面会の頻度を増やしており、大統領との面会も積極的に行っている。ミャンマー政府としてはこういった日本企業の動きに対して、大きな期待感を持って歓迎している」 

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杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。


ミャンマー その投資ブームは本物か

民主化へ一気に動き出したミャンマー。政治体制の不安定さや民族間の紛争など、ミャンマー特有のリスクは依然として残るものの、欧米による経済制裁が解除されつつあり、世界中の企業が東南アジアの「ラスト・フロンティア」として注目している。現地では電力をはじめとした社会インフラに関する大型投資案件、工業団地の造成が急ピッチで進められている。日本企業も、成長の糧をミャンマーに見出そうと、熱い視線を注いでいる。しかし、ブームとなっているミャンマー投資は、果たして本物なのだろうか。ブームに踊り、現実を軽視した、拙速な投資へと急いでいないだろうか。現地取材を敢行し、冷静な目でミャンマーの現実をレポートする。

「ミャンマー その投資ブームは本物か」

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