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加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

自分の名前で勝負することが一番の親孝行!

加藤嘉一
【第20回】 2012年8月27日
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 今、8月23日木曜日、午前10時だ。私はこれから未知の世界、アメリカへ向かう。2時間後には、小さなスーツケースを片手に、東京の宿泊先を出る。6時間後には、成田空港から、ボストンへ飛び立つ。

 誰にだって旅立ちはあるものだ。卒業があるように――。

母の気持ちに泣いた

 ちょうど10年前、知識も経験も語学力も、何も持たなかった18歳の私は、単身、中国へ向かった。今は亡き父が車を運転し、母親、弟、妹が成田空港まで私を送り届けてくれた。中高時代を過ごした山梨から成田空港へ向かったのだが、途中、東京都内で渋滞に巻き込まれ、危うく飛行機に乗り遅れるピンチに遭遇した光景を、昨日のことのように覚えている。

 そして、今日、母は10年前の再現をすると言ってくれた。

 「10年前みたいに、空港まで送りに行くよ。よしくんにとって、新しいスタートだから」

 結局、介護の仕事をしていて多忙な母は、スケジュール調整が難しく、見送りに来ることはできなかったが、母のその気持ちだけでうれしくなり、泣いた。

 今回は10年前と違い、家族と一緒ではなくひとりで、山梨からではなく東京から、自動車ではなく電車で、新たな出発へ向かう。それだけ、自分が成長したということだろうか。その答えが出るのは10年後くらいだろう。

加藤家のキーマンは母だった

 本連載のきっかけを作った亡き父とは違った意味で、私にとって、母は特別な存在だ。私は、今の自分を形作った由来が5つあると思っている。

1、外の世界への意識を持ち続けられたこと。
2、自身を鍛えるランニングを続けられたこと。
3、健康を維持できたこと。
4、困難なとき、いつも理解者がいたこと。
5、どんなに辛くても、家族が離れ離れにならなかったこと。

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

 「だったら、お前がやれ!」
この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。もともと、この言葉は加藤嘉一氏の亡くなった父の口癖だったが、加藤氏は自らの行動規範として常に心に留めている。相手に対して意見するとき、必ず自らに問いかける。
そんな加藤氏が今、憂いているのは、日本社会にあまりにも無責任な批判、意見、論評が多いということだ。本連載では、日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示す。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る」

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