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山崎元のマネー経済の歩き方

運用期間で運用方法は異なるのか?

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第240回】 2012年8月27日
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 運用のプロあるいは証券マン(注:証券マンは運用のプロではありません!)は、素人投資家を励ます際に、「プロは毎期毎期の決算を気にしなければならないが、素人はこれを気にしなくていいので、運用の条件は、素人のほうが有利だ」としばしば言う。しかし、筆者はこの考え方に少なからぬ違和感を持っている。

 先の発言が意味を持つのは、例えば決算期に合わせた短期の運用と、決算期を気にしない長期投資とで、最適な運用方法が異なる場合だ。そうでなければ、両者の優劣は「気分の問題」にすぎない。

 問題は、1年間といった短期の運用で、長期の運用と異なる、より短期運用向きの方法があるのか、ということにある。筆者は、短期の投資に適した有力な方法はないのではないかと思う。

 未熟なプロの中には、「短期の運用なのだから、動きのいい銘柄に、パッと乗って、さっと利食いするといい」と本気で思っていることがあるが、「動きのいい株」は概してリスクが大きいし、「さっと利食いする」ことが可能とは限らない。だからといって、頻繁に利食い・損切りを繰り返すと売買コストがかさんでパフォーマンスを傷める。

 結局、「いい!」と思う銘柄についても、株価が「いつ」上がるのかはわからないことがほとんどだ。投資期間が短期でも長期でも、原則論としては、期間に関係なくいいと思う銘柄を保有する以上のことができるわけではない。

 ただし、厳密には売買にかかるコストが運用に影響する。

 売買コストがゼロなら、そのときそのときで、いいと思う銘柄と投資ウエートを持つことができるので、運用期間が短期でも長期でも運用内容は同じになる。しかし、売買にコストがかかる場合は、売買コストによる期待リターンの低下度合いが運用内容に影響する。

 株式を持つか、持たないかという選択を考えてみよう。仮に、株式投資の期待リターンが年率5%で、売買には片道1%のコスト(売買手数料と税金、売買によって価格が損な方向に動く「マーケットインパクト」を合わせたコスト)がかかるとする。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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