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イノベーターのための問題解決法

開発をリフレームする:
スピーディーな反復プロセスでコンセプトを実現する

白根英昭 [大伸社取締役]
【第10回(最終回)】 2012年9月7日
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10枚の手紙と封筒があります。はじめに10枚の手紙を折って、次に10枚の手紙を封筒に入れ、最後にまとめて封をする方法と、1枚ずつ手紙を折って、封筒に入れ、封をする方法では、どちらが速く仕上がるでしょうか?

これはバッチ処理と一個流しの比較の問題です。直感的には10枚まとめて仕上げたほうが速いように思えますが、実際には1枚ずつ仕上げたほうが速く仕上がります。ひとつひとつの工程をまとめて処理する場合、同じ作業を繰り返すことで作業に習熟し、それぞれの工程の時間が短くなります。しかし、実際にはそれ以上に、各工程で出来上がった手紙や封筒を並べ直したり、積み重ねたり、次の工程のために移動したりする時間のほうが多くかかるのです。

 仕上がりの時間についていえば、バッチ処理では、作業がすべて完了するまで手紙を一通も出せませんが、1個流しなら、封筒がひとつ完成する毎に出すことができます。

 この問題を、「どちらが速く致命的な問題に気づけるでしょうか?」という質問に変えると、別の側面が際立ってきます。例えば、手紙の折り方を間違えてしまった場合、1個流しなら1枚目の封筒に入れるときに気づくことができますが、バッチ処理の場合は、すべての手紙を折り終わった後でしか間違いに気づけません。

 人間中心イノベーションのプロセスが重視するのはまさにこの部分です。開発プロセスのバッチサイズを小さくすることで、より早く、より多くのことを学ぶことが可能になります。

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白根英昭 [大伸社取締役]

1963年大阪生まれ。1988年大伸社に入社。2002年にペルソナやエスノグラフィー等のデザインリサーチに基づくイノベーションサービスを開始。2004年より同社m.c.t.事業部取締役。一橋ビジネスレビュー(2007年) 、 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2010年) などに寄稿。2008年から 関西の産官学共同によるソフト技術者の養成塾で講師を担当。ペルソナ&カスタマエクスペリエンス学会理事。

 


イノベーターのための問題解決法

イノベーションを意図的に生み出すのは簡単なことではない。どのようにすれば組織的に、繰り返しイノベーションを生み出すことができるのか。エスノグラフィーの活用による人間中心イノベーションに、ひとつのヒントがある。この連載では、エスノグラフィーを使って問題をリフレームし、飛躍的なイノベーションへと結びつけていく方法を紹介する。

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