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焼肉「牛角」がコロワイド傘下
外食企業の買収戦略の難しさ

週刊ダイヤモンド編集部
2012年9月20日
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 外食業界大手のコロワイドが、焼肉の「牛角」を運営するレックス・ホールディングスを、子会社化することを決めた。

 10月をめどに、投資ファンドのアドバンテッジ・パートナーズ所有の株式を取得することで合意したのだ。

焼肉を大衆化させた立役者もついに大手の傘下に入る

 牛角は、1990年代後半から店舗数を拡大し、日本最大の焼肉チェーンとなった。しかし、BSE(牛海綿状脳症)騒動などで、成長の曲がり角に立つと、2006年に、創業者の西山知義社長がアドバンテッジと共に、マネジメントバイアウトを実施し、株式を非公開化した。

 レックス関係者によると、今回の株式譲渡は「アドバンテッジ側の事情が大きい」という。確かに、出資してから6年もたつから、一般的に、投資ファンドが関わる期間としては、長い部類に入る。

 レックスは事業売却により特別損失を計上したり、多額の支払利息により経常損失に陥ってはいるものの、本業は回復基調にある。

 09年に8億7000万円だった営業利益は、11年には25億9000万円に増え、直営店をフランチャイズにするなど、効率化にも乗り出していた。

 さらには、BSE騒動以来、規制されていた米国産牛肉の輸入が緩和される見込みとなったから、経営が好転する可能性もあった。

 それでも、アドバンテッジは今が売り時だと判断した。当初、アドバンテッジは今も約32%の株式を持つ西山氏に、株式の買い取りを依頼したが、価格面で折り合わなかった。西山氏は今後、経営者にとどまらない可能性が高いという。

 「西山教といっていいほど、氏を慕う幹部や部長クラスに支えられている会社なので、退任となれば社員が大量に辞めるかもしれない」(レックス関係者)

 外食産業では買収が活発化するといわれているが、個性的な創業者が成長を支えている企業も多い。買収の成否を決める要素として、創業者との関係性が非常に重要だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 清水量介)

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