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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の25「燕雀いずくんぞ
鴻鵠の志を知らんや」(史記)
混迷の時代、志を以て生きる

江上 剛 [作家]
【第25回】 2012年9月25日
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 我が国の2011年の非正規雇用比率は、男性が20.1%、女性は54.6%。

 女性は、なんと半数以上が非正規雇用なのだ。企業のリストラが進む現在、この比率は男女とも高くなることはあっても低くなることはない。

 若い人は、親のすねをかじっていられる間はまだいいが、そろそろ親のすねも細ってきた。がんばらないと食べるものも食べられず、やせ細った身体で中国や韓国と戦わねばならない。こりゃたいへんだぞ。

 せめてなりたや正社員というのが、若い人の本音だとすれば、混迷の世の生き方を考えてみたい。

自信を持てるお馬鹿な話

 その前に馬鹿な話を一つ。

 『今昔物語集』(佐藤謙三校注・角川文庫)の本朝世俗部に「弾正弼源顯定、まらを出して笑はれし語」というのがある。「今は、昔、藤原範國と云う人ありけり。」で始まるのだが、範國が上司から重要な任官を受ける際に、おかしくて笑ったそうだ。

 上司には見えていないのだが、弾正弼源顯定という偉い人が自分のまら(男根)を出して遊んでいたのを見てしまったのだ。それでおかしくて笑ったのだが、上司に「なにがおかしい」と責められても言うに言えず大変な目に遭ったという話。

 弾正弼(ひつ)というのは、警察庁次官みたいな偉い人だ。それがじぶんのまらを弄んじゃいけないが、見せびらかせていたのかもしれない。

 今昔物語には、まらに関する話が時々出て来るが、まらのでかい奴が出世したのだろうか。その昔には、巨根伝説の弓削の道鏡の伝説もあるくらいだから。

 こんな馬鹿な話をしたのは、まらでもなんでもいいから自信をもって生きていかないとなかなか厳しい時代になったということだ。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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