ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
出口治明の提言:日本の優先順位

国語を守ることは、文化を守ること

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第63回】 2012年10月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 文化庁は、日本人の国語に関する意識や理解の現状をつまびらかにし、政府の国語施策の立案に資するとともに、市民の国語に関する興味・関心を高める目的で、1995年度から毎年、「国語に関する世論調査」を行っている。今年は、9月20日に、2011年度の調査結果が発表されたので、その内容を概観してみたい。

日本語能力は
ほぼ一貫して低下

 まず、「言葉の使い方について」であるが、日常会話で気を使っている人の割合は77.9%となり、7年前の調査より7.3%上昇している。他の人の言葉遣いなどが気になる人の割合も、7年前より4.7%上昇して75.7%となっている。日頃、言葉遣いで心掛けていることのトップ3は、「相手や場面に応じて敬語を使う 73.5%」「自分が言われて嫌なことは人にも言わない 69.8%」「汚い言葉や下品な表現は使わない 51.8%」であって、何れも過去の調査より増加している。

 次に、「日本人の日本語能力について」は、読む力が低下していると思う人の割合は78.4%(10年前より9.6%上昇)、書く力については87.0%(10年前より1.1%低下)、話す力については、69.9%(10年前より10.7%上昇)、聞く力については62.1%(10年前より5.1%上昇)と、書く力を除く全ての能力で低下していると思う人の割合が増加した。中でも、読む力や話す力が10ポイント前後も低下していることは、大いに気になるところではある。

 「多様化する情報交換手段の日常生活への影響について」たずねたところ、トップ3は、「漢字を正確に書く力が衰えた 66.5%」「手紙や葉書はあまり利用しないようになった 57.2%」「手で字を書くことが面倒くさく感じるようになった 42.0%」であり、次点が「口頭で言えば済むことでも、メールを使うようになった 29.5%」であることを考え合わせると、インターネットの発展に伴なう電子メールの普及等が、国語にも大きな影響を与えていることがうかがえる。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

⇒バックナンバー一覧