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かの残響、清冽なり――本田美奈子.と日本のポピュラー音楽史

「シンガーソングライター本田美奈子」誕生、
自作曲創作の秘密(1995-96年)

坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]
【第11回】 2012年10月5日
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 本田美奈子さんは「MINAKOえとせとらテープ」に各国女性ヴォーカリストなどの楽曲を編集して収録し、サウンド、歌唱法の研究材料としていた。1993年9月13日と日付の入ったno1(第1巻)から、95年11月18日付のno30まで、2年2ヵ月間に渡って30本に及ぶ研究テープを作成し、コピーして日本フォノグラム(マーキュリー)のプロデューサーやディレクターらに渡している。

 「晴れときどきくもり」(マーキュリー)のディレクター牧田和男さんは、もちろん「MINAKOえとせとらテープ」を受け取った側だが、彼もまた本田さんに、「毎週1つ、気になるCDを聴かせて」と言っていたのだそうだ。

 70年代から80年代の洋楽を紹介したのは牧田さんである。60年代のポップスはフジテレビ「Music Fair」のプロデューサー石田弘さん(連載第9回参照)の影響であろう。

「MINAKOえとせとらテープno25」のすべて

 「晴れときどきくもり」の制作段階で、本田さんが牧田さんに渡したテープが何本か残っていた。「これが私のアルバムのイメージ」と言っていたらしい。拝借した95年4月8日の日付の入ったこのテープにはno25と通し番号が付されている。

 no25に収録されていた楽曲は以下のとおり。

編集したカセットテープのジャケット(背表紙と曲目リスト)
拡大画像表示

MINAKOえとせとらテープ no25
1995.4.8

① Winki’s Theme (Queen Latifah) 
② You Are Everything (スタイリスティクス) 

③ It’s My Party (レスリー・ゴーア)
④ I’ll Be There For You(ボン・ジョビ)
⑤ プロセッション(シセル・シルシェブー)
⑥ Melody Of Love(ドナ・サマー)
⑦ Goody Goody (Lisette Melendez)
⑧ Get Ready(ダイアナ・ロス、シュープリームス)

⑨ ジプシー・ハート(トリーネ・レイン)
⑩ バング・ユア・ヘッド(ミラ・ジョヴォヴィッチ)
⑪ Love(サラ・ボーン)
⑫ 去りゆく愛(セルマ・レイス)
⑬ The Rhythm Is Magic (マリー・クレール・デュバルド)
⑭ 母 (ハリス・アレクシーウ)
⑮ この胸のときめきを(ダスティー・スプリングフィールド)
⑯ Amazing Grace(エターナル)

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坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。


かの残響、清冽なり――本田美奈子.と日本のポピュラー音楽史

日本のポピュラー音楽の誕生をレコード産業の創始と同時だと考えると、1910年代にさかのぼる。この連載では、日本の音楽史100年を、たった20年の間に多様なポピュラー音楽の稜線を駆け抜けた本田美奈子さんの音楽家人生を軸にしてたどっていく。

「かの残響、清冽なり――本田美奈子.と日本のポピュラー音楽史」

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