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シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

妻の家出を乗り越え零細企業からNPO代表へ転身!
年収360万円を500万円に増やしたシングルファザー
――NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事・吉田大樹さんのケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第7回】 2012年10月16日
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 連載第7回は、中小企業で働きつつ、父子家庭の主として一家を支えた男性が、シュリンクする職場で生き延びながら起死回生に至った経緯を紹介しよう。妻と別居をしながらも、自分を見失うことなく、がむしゃらに生きた結果、辿り着いた生活とは……。

 なお、本人との話し合いにより、今回は仮名ではなく実名でお伝えすることをお断わりしておく。

 あなたは、生き残ることができるか?


今回のシュリンク業界――情報サービス

 情報サービス業は情報通信業界の1つで、情報提供などのサービスを行なう企業がこの分類に入る。IT関連、たとえば、各種ソフトウェアプログラムの作成などを行なう企業などがあるが、一方で、講演会やセミナー、さらに冊子などを通して情報提供を行なう企業もある。さらに、最近はコンサルティング会社がこの分野に進出してきており、競争は激化している。

 たとえば、会計、給与、販売などのシステムからセキュリティ製品までをトータルで顧客に提供し、サポートするような業態では、社員数1000人を越える大企業もある。かたや、今回紹介するケースのように、社員数30人以下の零細企業も。すそ野が広いことが、この産業の1つの特徴である。


妻が出ていった直後の1ヵ月間、
何をしていたのか、覚えていない

 「父子家庭になる前、32~33歳の頃(2008~09年)の年収は、額面で500万円を少し超えていた。それが一気に360~380万円に減った。あれが苦しかったかな……」

 様々な活動を通じて、父親が子どもとの関わりを深めるための支援を行なうNPO法人ファザーリング・ジャパンの代表理事・吉田大樹さん(35)は、今年6月末まで勤務した会社員の頃を振り返った。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年10月からフリー。主に経営分野で取材・執筆・編集を続ける。専門学校、NPO、経済団体、コンサルティング会社で文章指導の講師も務める。2011年3月11日の東日本大震災発生直後からこれまでに20数回、被災地に入り、「死者・行方不明者2万人」となった真相を明らかにしようと、精力的に関係者を取材した。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『非正社員から正社員になる!』(光文社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、東洋経済新報社などで執筆。

 


シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

「働いても働いても、生活が楽にならない」。それは気のせいではない。日本の多くの業界は今、先が見えない「構造不況」の暗闇の中にいる。シュリンクする業界で働く人々にとって、業績アップ、収入増、労働環境の改善などを目指すことは難しい。しかし、そんななかでも、他人と違うアイディアを考案したり、誰も気づいていないビジネスを見出すことで、必死に生き延びようとする人はいる。この連載では、シュリンク業界で絶望し、起死回生を図るビジネスマンや個人事業主の生の姿を描くことを通じて、私たちがビジネスで心得るべきヒントや教訓を考えていく。

「シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史」

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