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荘内と北都の経営統合で「地銀大再編時代」に突入か

週刊ダイヤモンド編集部
2008年5月28日
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 「数が多過ぎる」と言われながら、再編が遅々として進まなかった東北地方の地方銀行が経営統合に動き始めたことで、地銀の再編機運がにわかに高まってきた。

 5月14日、山形県の荘内銀行と、秋田県の北都銀行が経営統合を視野に入れた資本提携を結ぶと発表した。8月に荘内が、北都の優先株を80億円を上限に引き受けるかたちで資本提携。経営共同会議を設置して準備を進め、2010年をメドに共同持ち株会社方式での統合を目指す。

 話は北都側が持ちかけた。株式相場の下落などで有価証券の含み損が約128億円までふくらみ、08年3月期の連結最終損益は大幅な赤字に落ち込む。これに伴って自己資本(連結)も前期比3・30ポイント低下し、6・11%まで低下する見通しで、資本増強の必要に迫られたというわけだ。荘内側にも事情があった。山形県内には山形銀行をはじめ、殖産銀行と山形しあわせ銀行が経営統合した「きらやか銀行」もあり、規模の拡大は至上課題だったからだ。

 この地銀連合に、「青森県のみちのく銀行も合流するのではないか」と地銀関係者は予測する。荘内、北都の統合は、両行と親密なみずほフィナンシャルグループがお膳立てしたもの。みちのくも、みずほOBが会長を務めるなど、関係が近いというのがその理由である

 08年3月期の決算では、サブプライム問題などで大打撃を受けた地銀や第二地銀が多く、このほかにも再編の火種がくすぶり始めている。その1つが中国地方だ。

 山口県の西京銀行は08年3月期、有価証券の評価損に加え、貸し倒れ引当金の積み増しなどで、56億円あまりの最終赤字に陥り、資本増強の方針を打ち出した。同行は、ライブドアと設立しようとしたインターネット専業銀行が頓挫したほか、不祥事も噴出。「単独での生き残りは難しいのではないか」(別の地銀関係者)と見られている。不良債権にいまだ苦しんでいるという意味で島根銀行も状況は厳しい。

 こうした地銀を救済する再編相手に名前が挙がるのが広島銀行だ。もみじ銀行を買収した山口銀行や岡山県の中国銀行が広島県内に攻め込んでおり、「県境をまたいだ再編で拡大を狙うのではないか」(別の地銀関係者)と見られている。

 このほか、愛知県の中京銀行と岐阜銀行、そして愛知銀行をめぐる再編話も地銀界で流れているが、地銀も悩みどころ。というのも先に県境をまたいで統合したふくおかフィナンシャルグループの業績がさえないなど、広域統合の効果が疑問視されているためだ。

 しかし、「再編を推し進めたい金融庁が水面下で調整に乗り出している」との観測も地銀界でしきりと流れており、待ったなしであることには間違いないようだ。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 田島靖久)

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