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エコカー大戦争!

九州北部の自動車産業集積3大エリア訪問記
――日本製造業の空洞化を防ぐ「最後の砦」
九州自動車産業の実情【後編】

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第129回】 2012年10月26日
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九州北部に位置する
3つの自動車産業集積エリア

 福岡で九州自動車道に乗る前、縦118cm×横84cmの大きな地図を、ドバっと広げた。

 「九州の自動車関連企業立地マップ」(九州自動車・二輪車産業振興会/平成24年2月作成)である。

 それによると、九州全土で合計989社。その約半分は福岡県にあり443社。次いで、大分県153社、熊本県118社、佐賀県92社、鹿児島県87社、宮崎県67社、そして長崎県が29社だ。

 これら各社の分布は、福岡県内と大分県北部に多い。これは至極当然のことだ。その地域に、トヨタ自動車九州宮田工場、同苅田工場、同小倉工場、日産自動車九州、日産車体九州、そしてダイハツ九州大分(中津)工場、同久留米工場があるからだ。

 そうした自動車メーカーの工場を軸に、この地図を改めて見た場合、北部九州の自動車産業集積地は、筆者の見立てでは大きく3つのエリアに分かれる。それは、①福岡県京都郡苅田町(かんだまち)エリア、②福岡県宮若市エリア、③大分県中津市エリアだ。

 なお、熊本県内で熊本市と阿蘇市の中間、菊池郡にホンダの熊本製作所がある。同所では2012年10月1日から、埼玉県朝霞市の二輪車開発・購買部署が合流し、二輪車開発・製造の新体制が敷かれる。今回、取材目的が四輪車を中心としており、同所周辺エリアを取材対象としなかった点はご了承いただきたい。

 またここで、補足として「九州は他地域と比べて、本当にコストは安いのか?」、つまり「九州シフトのメリット」についてご紹介しておく。

 まずは、「製造業における一人あたりの現金給与」(平成21年度経済産業省・工業統計)。

 全国を1.00とすると、北海道0.78、東北0.81、関東1.04、中部1.07、近畿1.03、中国1.00、四国0.90、九州0.89、そして沖縄が0.63だ。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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