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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

将軍たちが昔の戦争に
備えたがるように

上田惇生
【第37回】 2008年2月14日
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創造する経営者
ダイヤモンド社刊 1800円(税別)

 「既存のものは古くなる」 (『創造する経営者』)

 「時間の大半を今日の問題に使っている」などの言い方は、婉曲話法にすぎない。正確には「昨日の問題に使っている」「過去の修正に使っている」だ。

 今日の事業すなわち今日の資源、活動、組織、製品、市場、顧客はすべて昨日の決定と行動の結果である。

 加えて、ほとんどの人間が昨日の事業とともに育っている。彼らの姿勢、期待、価値観は昨日つくられた。したがって彼らは、昨日の教訓を今日使おうとする。

 事実、あらゆる企業が昨日起こっていたことを正常とし、そのパターンに当てはまらないものを異常として退けている。

 賢明かつ前向きで勇気のあった決定や行動も、それらが日常の仕事となった頃には陳腐化している。

 それらが形成されたときには正しかったことかもしれない。 だが、その姿勢を身につけた者が意思決定する立場に昇進した頃には、その姿勢を形成した世界はもはや存在しない。

 ドラッカーは、将軍たちが昔の戦争に備えたがるように、企業人も昨日のブームと昨日の不況に備えようとするという。諸行無常は総論で理解できても、各論いわんやわが事となると理解できなくなる。

 「既存のものは常に古くなる。あらゆる決定と行動が、それを行った瞬間から古くなり始める。したがって通常の状態に戻そうとすることは不毛である。通常とは昨日の現実にすぎない」(『創造する経営者』)

 直結して、じつにいい味を出している。

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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