マイクロソフトの新OS、ウィンドウズ8が発売された。

 アップルや、グーグル=アンドロイドに押され気味で、このところ新鮮なニュースに欠けるマイクロソフトだったが、ウィンドウズ8はいくつかの意味で巻き返しを図った製品であるようだ。

 まず、その概要を簡単に説明しよう。

「生産ツール」の印象を脱し
タイル状のデザインにしたねらいとは

 ウィンドウズと言えば、これまではオフィスや家での「生産ツール」という印象が強かった。そのため、無駄なく任務を遂行することだけを目的としたような、淡白でストレートな(そして今ひとつ面白味のない)操作画面が特徴だった。ところが、このウィンドウズ8では、その見た目とインターフェイスが愕然と変わっている。

 画面が立ち上がると、そこに出てくるのは大中小のタイル状に分けられた鮮やかな色の組み合わせだ。それぞれがすぐに使えるアプリケーションで、しかも昨今われわれが盛んに利用するようになったソーシャル・ネットワーク系、コミュニケーション系、遊び系のアプリケーションも並んで表示されている。真面目な仕事一辺倒なこれまでのイメージとは歴然とした違いである。

 このタイル状のデザインの狙いはふたつあるように思われる。ひとつは、タッチ画面を装備したコンピュータやタブレットにより合った操作性を与えること。小さな文字やアプリマークをタッチするよりも、大きなタイルの方が触れやすいし、触れたくなるような様子でもある。

 もうひとつは、そのタイルの中に、さらにいくつものアプリケーションを統合して、カテゴリーとしての意味合いも表現していることだ。たとえば、「People」というタイルを開くと、その中には従来のアドレス帳に加えて、フェイスブック、ツイッター、リンクトイン、グーグル+などのコンタクトを統合することができるといった具合だ。