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田中秀征 政権ウォッチ

石原慎太郎氏が唱える
「第三極の結集」への期待と不安

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第156回】 2012年11月1日
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 石原慎太郎都知事は、25日、緊急記者会見を開き、①都知事辞任、②新党結成、③衆院選出馬を宣言し、即日都議会議長に辞表を提出した。

 石原氏のこの突然の言動は、当然のことながら日本の政治に大きな波紋を投げかけている。

各党は政策の違いを乗り越えられるか

 かねてから、石原氏の新党構想は、自らの個人人気に加えて、“たちあがれ日本”と“維新の会”を両腕にしたいと考えているように見えた。もっと具体的に言えば、平沼赳夫氏と橋下徹氏が両腕として彼を支える形態と言える。

 そして、新党の政治目標は、①統治構造の改革と②保守純化路線への転換の2つであるという印象を受ける。

 ところが、第三極として仕分けられる小政党の間には、この2つの政治目標についてのかなりの温度差、優先順位の違いがあって、今後の勢力統合は容易ではない。

 石原氏は記者会見で、「大眼目は官僚の硬直した日本支配を壊していくこと」と、統治構造の改革を最優先の使命にする姿勢を鮮明にしている。

 おそらく橋下氏はこの姿勢に異論はないであろう。

 しかし、保守路線と財政再建を共通項とする“たちあがれ日本”はそう簡単にはいかない。統治構造の改革にはむしろ無関心であるようにも見える。事実、記者会見後に石原氏が乗り込んだ“たちあがれ日本”の本部では、維新の会やみんなの党との大連合に異論が相次いだと言う(10月27日朝日新聞)。

 しかし、もしも石原氏が本気で思想や政策の違いを乗り越え、過去の人間関係をも乗り越えて“統治構造の改革”の旗を揚げて呼びかけるなら、世論の圧倒的な支持を受ける可能性が高い。

 その際、お膝元の“たちあがれ日本”が黙認してそれに従うのか。石原氏にとっては悩みの種であろう。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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