2012年4~6月期決算で、2260億円超の有価証券評価損を出した日本生命保険。背景には、業界の流れに逆行したともいえる株式保有の堅持路線がある。

 日本生命保険は「日本株式会社の大株主」と言われてきた。

 昔日の存在感は薄れたが、直近で全上場企業3542社のうち、大株主として約700社でトップ10、約300社でトップ5に名を連ねる民間最大の機関投資家であることに変わりはない。だが、その株式運用が目下、「苦しい“ピッチング”を強いられている」(日本生命幹部)。

 2012年4~6月期決算で日本生命は、2261億円という多額の有価証券評価損を計上し、自己資本の一部である危険準備金から1780億円を取り崩した。有価証券評価損の内訳は開示されていないが、その大半を国内株が占めるとみられている。

 もちろん、他の大手生命保険会社も日本生命と同様、4~6月期は小さくない有価証券評価損を計上している。

 とはいえ、日本生命と共に「4大生保」の一角を担う第一生命保険は、4分の1以下の494億円だ。また、明治安田生命保険が432億円、住友生命保険は425億円と、1桁少ない額にとどまった(図(1)左)。

 日本生命だけが突出した理由の一つは、他生保を圧倒する巨大な株式保有だ。一般勘定資産に占める株式保有額は、5兆8369億円と他の大手3社を合わせた額にほぼ匹敵する。一般勘定資産に占める比率でも11.7%を占め、4大生保の中で唯一、1割を超えている(図(1)右)。